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新規事業企画で活きていると感じる、医薬品開発(CRA)時代の経験

皆さんこんにちは!
ヘルスケア業界(CRO)で新規事業企画をしているヒロシズです。

今回は、事業企画の部署に来て思う、前職種(医薬品の臨床開発職:CRA/モニター)の経験が活かせていると感じることBEST3を発表したいと思います!
皆さんのキャリアチェンジの参考になれば幸いです。

私のキャリア

私は新卒でCROの医薬品開発(モニター/CRA)でキャリアをスタートさせ、社会人4年目に、今の事業企画の部署に異動しました。

正直、臨床開発職と新規事業企画では、仕事内容はもちろん、仕事の考え方が全くことなります。
なぜなら、両者の仕事のミッションは、以下のような感じとなり、異なると思うためです。

臨床開発職:自分が関わる開発プロダクトの承認に向けて、臨床試験が正しく行われるよう、決められたマイルストーンに向けて適切に業務をこなす。

事業企画職:新規事業を創出し、会社にとっての新しい収益化ビジネスや既存のビジネスの価値最大化を図る。

事業企画の部署に入った初期の私の感想は、いままでの臨床開発職と仕事の仕方が全然ちげえ…これどうやって進めればいいんだ!でした。
ただ、事業企画の仕事をこなしていくと、仕事の節々で、臨床開発職の経験が活きている!と感じるシーンもありました。

今回は、そういった私が感じたことの3つをまとめております。
(本当は5個以上ありそうなのですが、今回はあえて絞ってます笑)

役に立っている経験①:スケジュール管理能力

開発職(以下、CRA)で仕事をしていて常日頃気にしていたことは、やらなきゃいけない仕事のタイムラインでした。
例えば、治験を対象医療機関で行ってもらう為に重要なIRB(治験審査委員会)への審議資料の申請、定期的なSDV(症例モニタリング)、治験にて収集するデータ固定の対応…
CRAは常に、担当しているPJにて敷かれているスケジュールをこなすことが求められております。

ただ、やるべきことの期限は守る…これはどんな仕事でも当たり前ですよね?
では、なぜ事業企画にて、このスケジュール管理能力が活きるのでしょうか?

これは事業企画をやっている人間ならば「それな!」と思うかもしれませんが、新規事業企画というものは、自分でゴールを設計して、そのゴールに向けたタスクをやり切る力が非常に重要です。
もちろん、様々な外的要素が絡んで期限がきっちり決まっている仕事もありますが、事業企画の性質上、そうじゃない仕事もあります。

私は、そのような自分でスケジュールを調整して管理しなければならない時に、CRAでの経験が活きているなと感じます。

役に立っている経験②:忍耐力

CRAをやっていて担当医療機関(業界ではよく医療機関を「施設」といいます。以下、施設)を持つ際に絶対必要になることが、医師などの施設スタッフとのコミュニケーションです。
そして、相手は人ですから、合う合わないの話は、それこそCRAの数だけ存在しています。

CRAは、ときには、企業側の意向と施設側の意向の板挟みに合うことがあります。
その中で、医師や施設スタッフから、怒鳴られたり、小言を言われたりすることはあるでしょう。
私もCRA時代には、担当施設の医師面会にて先生から急に怒鳴られたり、薬剤師から1対1の面会にてダンマリで睨みつけ続けられたことがあります。。。

ただ、ここで負けずに伝えることをしっかり伝えたり、または我慢したりで乗り越えた経験は、CRA以外でも活きてくると思います。
私も事業企画の仕事で冷や汗をかいたり、周りからの視線が痛いことが何度かありましたが、CRA時代の体験を思い返すと「大丈夫、いまは辛くても乗り越えられる…!」と、ポジティブに物事を捉えることができます。

経験も大事ですが、メンタルも大事です。

役に立っている経験③:専門知識

これは自分がCROの中で新規事業開発をしているからかもしれませんが、メッチャ活きています。マジデヨカッタ。
治験に携わると、治験の流れ、専門用語、サイエンスの知識が、プロジェクトでの仕事を通じて自然と身につくと思います。
個人的には、このCRAで勉強したことが新規事業をスムーズに進めていく上でも活きていると感じております。
ただ、上記ではちょっと抽象的だと思うので、役に立っている専門知識とは?を、少し分解してお話していきます。

役に立っていると考えている専門知識は、大きく分けて以下の2種類です。

①治験を、俯瞰して見ていたこと
②治験を軸に調べた、様々な知識

①については、CRAだとよく「自分が担当している業務が、全体のどの部分に位置して、自分の担当業務の前後はどうなっているか、イメージすることが重要です」という教えを上司や先輩から受けると思います。
これってすなわち、物事を俯瞰して見たり、具体的な事例を抽象化して理解するなどといった思考力にも繋がると思います。
そして、そうやって俯瞰して治験を見て、考えていると、全体の流れがイメージできて治験業務以外にも役立ちます。

新規事業企画では、この「物事を俯瞰して見る力」や「具体的事例⇔抽象化」といった力がとても大事になってきます。
自分が今いる領域で俯瞰して勉強するということは、全体把握のみならず、思考力のトレーニングにもなると思います。

②については、自分の興味が赴くままに、臨床試験を軸に色々調べてみると良いよ!ということです。
私の場合ですと、当時は希少疾患治療薬の治験を担当していたのですが「そもそも希少疾患って患者さんは少ないけど、製薬企業はどうやってマネタイズしているんだ?」を色々調べまくってました。
そうして調べまくってみることで、FDAのバウチャー制度を知ったり、海外のバイオベンチャーの資金調達の方法などがIR情報から見えてきました。

新規事業企画では、深い知識も必要ですが、それと同じくらい「横に広い知識」も重要です。
広い知識があると、それはすなわち、アンテナを張れるフィールドが多くなります。
自分が理解できるフィールドが広くなると、様々な話についていけて、かつ議論ができます。
そういった背景から、CRA時代に興味が赴くままに色々と勉強しておいてよかったなーと感じております。

さいごに

いかがでしたでしょうか?
ここまで読んでくださった方は、もしかしたらお気づきかもしれません。

…そうです、CRAで学べることって、抽象化すると他の職種でも学べることと近いんです(臨床試験の専門知識はCRAならではかもしれませんが)。

そのため、私が言いたいことは以下です。

現職の知識、経験、学びを大切にして、それを自分の中にしっかり落とし込めば、どんな職種でも活用できるシーンはあると思います。

最近、同期や友達とよく、キャリアプランについて話が盛り上がるときがあります。
そういった中でも、現職の活かせることは何だ?みたいな話は出てきます。

私の場合は、CRA時代から上記に書いた3つを意識していたのか?と言われたらそうではないかもしれません。
ただ、一つ自信を持って言えることは「CRA時代は、誰よりも楽しみながら、一生懸命仕事してました」ということです。
それが結果的に、キャリアチェンジして振り返ってみると、頑張ってて良かったなあと日々感じております。

ちょっと長々と書いてしまいましたが、キャリアチェンジした身として、皆さんの参考になれば幸いです。

なお、私はTwitterもやってますので、日頃私が考えていること、学んだこと、ヘルスケア最新情報を知りたいという方は、ぜひフォローお待ちしております!

では、また次回!

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