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シーズンの話

良く当店のSNSの商品紹介投稿でも、
アパレル関係のショップの投稿でも目にする
"2020 Spring"や"2020 Fall&Winter"の表記。

アパレルに関しては基本2シーズン制がほとんど。

"春夏"と"秋冬"の6ヶ月ずつ。

靴に関してはそうではなくて、
そんな2シーズン制のブランドもあれば、
3ヶ月ピッチの4シーズン制の所もあります。

春=1-3月
夏=4-6月
秋=7-9月
冬=10-12月
の様な感じ。

元々はNIKEがいち早く4シーズン制となり、
2018年まで2シーズン制だった
adidasやReebokも翌2019年から4シーズン制となりました。

4シーズン制のメリットは、
短いピッチで新製品を供給する事で、
消費者に新鮮なイメージを与えられる事。

ただしデメリットも大きくて、
一つ一つの商品の販売期間が長くても3ヶ月程度しかなく、
あっという間に値引き合戦が始まる事。

2シーズン制のブランドは半年の販売期間があるので
ゆっくりしっかり供給できる反面、
今の早い流れの中では、
「いつまでも売れ残っているブランド」と
捉えられてしまいがち。

そんな事はないんですけどね。

更にNIKEはこの先を行き、
年4回の展示会の展開商品以外に、
少し前だとQS(=Quick Strike)と呼ばれる、
リリース直前にならないと販売店にすら情報が下りてこない、
いわゆる"限定モデル"が毎週の様にリリースされます。

他ブランドへの圧迫感というか、
SNS上の情報独占というか、
その戦略は凄まじいものがあります。

その物量に対抗できるブランドは現状無く、
4シーズン制に切り替えた他ブランドは、
悪戯に"大量リリース→大量叩き売り"
の悪夢のサイクルに入っています。

僕ら側のデメリットも一つ。

昔は各地区で行われていた展示会も
今ではほとんどが東京開催のみ。

良くて大阪まで。

更に年2回だった展示会が年4回に。

各地方都市の老舗ですら
経費削減で展示会に行く事をやめ、
カタログ発注のみとなっている企業やショップも増えています。

関東一極集中化や大手企業やブランドの一強化。

新型コロナウイルスの影響で、
更にこの流れは早まり強まる気もします。

消費者が目まぐるしい流れや情報操作に惑わされず
欲しい物をしっかり選ぶという価値観。

それをどうやって浸透させていくかが
今後の小さなショップや販売員の在り方と存在意義で、
大手が扱わず淘汰されつつある
"その他ブランド"を生き残らせる道だと思います。

それは消費者から消費者への伝達も同じ。

洗脳か布教か。
はたまた洗脳解除なのか。

靴、特にスニーカー業界も
大きな局面を迎えていると思います。


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