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同期の卒業ブログを読んで

この約2ヶ月ほど、毎日更新を楽しみにしていたものがあります。慶應ソッカー部の卒業ブログです。彼らからしたら、私はただの途中で退部した元チームメートくらいかもしれないが、私からしたらかけがえのない大学サッカーの同期です。そんな彼らの卒業ブログを全て読み終え、先日の早慶戦のハイライトを見て、(ドイツではVPNの関係で生配信見れませんでした)、最終節のYouTubeでの生配信を見た今、自分も何か思ってることを綴ってみようかなと思いました。


ソッカー部生活

さて、私のソッカー部生活は約2年間のものでした。一般入試で慶應大学に合格し、入学式の前の3月末には既に下田のグラウンドに通い始めていました。一番下のDチームからのスタートでしたが、開幕2試合目からスタメンでIリーグに出場しました。(開幕戦は登録の不備があり出場できず、新米の1年生のくせに顔もまだ知らない3年生の学連のなべしゅん君に長文でラインを送ったのも今となってはいい思い出です笑)その後、6月にはCチームに上がり、元日本代表の戸田和幸さんの元でプレーする機会を得ることができました。正直、この出会いは自分の人生を変えたと言っても過言ではありません。ここで戸田さんの話を始めると文量が増えすぎてしまうため、今回は割愛し、別の機会に書こうと思います。Cチームでも後期開幕から試合に出してもらい、2試合目の早慶戦では先発。見事に鼻骨を骨折することとなりました。整復手術をしてしばらく離脱していたものの、復帰後はすぐにスタメンとして出場させていただき、(ささりょう君使用済みの高級フェイスガードを借りてプレーしました。その節はありがとうございました。)その後不甲斐ないIリーグ降格を経験しました。自分のストロングを発揮すること、どんな状況でも、どんな相手でもストロングだけは絶対に負けてはいけない。ということを身をもって学習した1年間でした。そしてシーズン終了直後、Bチームに昇格することができました。2年生の間はトップ昇格を目指しながら、結局上がることはできず1年間Bチームでプレーしました。前期の途中からスタメンを取り、その後チームはずっと連勝。後期も勝利を重ねました。個人的には連勝していた状態でメンバーを外され始めた後期は精神的にきつかったのを覚えています。

ソッカー部ではフットサル部門にも所属し、たくさんの試合をこなしました。競技フットサルをやるのは初めての経験で、大学に入ってから四戸監督の元、たくさんのことを学ぶことができました。フットサルの経験がサッカーにも生かされていると実感することができました。1年生時、FPでは唯一の1年生として夏の全国大会に連れて行ってもらい、全国準優勝を経験させてもらいました。その年は関東リーグ優勝や、U20フットサル日本代表とのトレーニングマッチも経験できました。2年生になる春には再び全国大会に出場するものの再び準優勝に終わり、1プレー1プレーの重み、ほんの少しの距離感のずれ、足の運びが結果を変え得るということを実感しました。2年生時は、フットサル早慶戦が開催され、たくさんの観衆の前で早稲田大学のサッカー関東リーガー達と対決したり、U23Fリーグ選抜とも試合をさせていただいたりしました。本当に貴重な経験ができました。

この他にも毎日ミーティングを行ったり、審判派遣のあみだくじに一喜一憂したり、練習後走って授業に向かったりと、これが自分の大学生活だったんだな〜と懐かしく思い出されます。(とは言っても、現在も現役の慶應義塾大学3年生ですが・・・。この話も今回は割愛します。)

と、まあ私のソッカー部生活をザッと振り返るとこんな感じです。

同期の存在

さて、ソッカー部生活を語る上で欠かすことのできない同期の存在。ブログを読んでみんなの仲の良さそうな感じが伝わってきて、少し羨ましいなと思いました。やはり4年間一緒に過ごした絆は相当強いのでしょう。日本に一時帰国するときに、どれくらいの人が僕と会ってくれるのか少し不安です。

私は粗相をしませんでした。誰かが粗相した時には連帯で取り返しをするのがソッカー部です。はじめのうちは、粗相した人に対して、なんでそんな安易な粗相するんだよ。とか、マジありえない。というような思いがありました。自分の大切な時間を使って誰かのために草取りをする。何をしているんだろうと思うこともありました。けど、あの事件をきっかけに考えが変わりました。2年時の早慶戦、Y君の粗相が発覚した時、私はミーティング中に頭に血が上り怒りました。もう、考えられない行為だから助けようがない。こんな人のために連帯で取り返しなどしたくないという思いでした。しかし、実はそのミーティングの後、夜あまり眠ることもできずずっと考えていました。なぜ人は怒るのだろうと。他人に期待しすぎるから?その人に裏切られたから?自分が傷つけられた?その人に変わってほしいという感情の裏返し?

あの日のミーティングで小山内はみんなとは違う意見を持っていたので、どう考えているのだろうと、小山内と直接話しました。小山内は、問題を起こした奴を辞めさせるだけなのはダメだと思う。みんなの力でそいつを変えれるかもしれない。と言っていました。自分の悩んでいた部分と小山内の言葉でそれから私の考えは変わりました。もちろん、誰かの行動を変えようとするにはとても大きなエネルギーが必要です。その人の性格や習慣によって既に形成されているものだからです。友己のブログにもありました。サッカーの習慣の話でしたが、普段の行動も同じだと思います。その人を変えたいなら本気の本気で向き合わなければいけません。確かに、自分の時間や労力を使うことになりますが、何もやらないのは逃げです。そこにエネルギーを費やすことで自分の人間的成長にもつながるはずだと思うのです。(ゴミの分別をしない前の家のカメルーン人の同居人には10回くらい注意して喧嘩になりましたが笑)

彬も書いていましたが、信頼すること。何よりも大切で意外と難しいことです。自分を信頼してもらうために、まず相手を信頼する。まさにその通りだと思います。ソッカー部では本当に大切なことを学べたし、素敵な仲間に出会えました。

そんなこともあり、私は北澤と谷本の遅刻に対しては退部する日まで永遠に言い続けました。どうしたら朝練に遅刻しないか、ありとあらゆる提案をしました。その後、成果はあったのか気になるところです・・・。


朝、眠い目をこすりながら部室に集まり、急いで着替えてグラウンドに行く。練習後や試合後に浴槽にお湯をためてみんなであーだこーだ喋ったり、日川と喧嘩したりする。こんな何気ない日常が今思い返すと美化されて映るのだから人間の脳はすごいなと思います。


自分の心情

さて、ここからが今回の本題でしょうか。ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。

新津が書いていたように、大学サッカーからプロを目指す人が少ないのである。私はもちろんプロになりたくて大学サッカーの門を叩いた。そして大学サッカーを内側から見て、可能性が小さいことに気づいた。そして日本のシステム上、大学サッカー引退後にプロを目指してアマチュアで本気のサッカーをする場所が十分に設けられていないと感じた。その中で、今すぐにこの年齢で海外に行ってみよう、自分次第で道を開いてみようという思いのもと日本を飛び出した。

もちろん、コロナでロックダウンとなり練習もできない状況の中で同期がたくさんトップチームに上がり試合に出ている姿を見たときは嬉しい半面、悔しいというか何かやるせない、もどかしい思いも感じた。誉貴や雄太が度重なる怪我から復帰し、竜一や賢汰が試合に出ている。その度に、大学4年間のスパンではなく、自分はその先の目標のために今を生きていると自分に言い聞かせ、奮い立たせた。

そして、先日の早慶戦。はしけんのゴールをみて鳥肌が止まらなかった。こんなに人の心を動かすことのできるフットボールがもっと好きになった。はしけんのブログを読んでまた震えた。快や雄太、綜一郎も書いていたが、誰かのために戦う。誰かの思いを背負って戦う。そうすると人はもっと強くなる。後一歩伸ばしたり、後一回スプリントしたり、体投げ出してでも防いだり、そういった理屈では説明できない域に達することができるのだろう。私を応援してくれている全ての人(たまにラインくれたり、インスタで反応してくれたりするのだけで正直めちゃくちゃ嬉しいです。ありがとうございます。)に良い報告ができるように、私は体がなくなるまで闘う。異国でもっともっと活躍してたくさんの人に刺激を与えられるようにもっともっと闘う。という覚悟ができた。

田嶋が結局結果が全てだと書いていた。もちろんそうだと思う。私がソッカー部所属時代に書いた部員ブログのタイトルは「結果」である。田嶋君は私のブログを真似したのだろう。ドイツに来て結果が求められることをより実感している。極論だが、89分寝ていても、ラスト1分で点を決めて1-0で試合に勝てばヒーローなのである。ヒールパスや軽いプレーをしてもその日2点決めてチームが勝てばチームメートは文句言えないのである。これが結果の世界である。

たくさんの部員が悔しい思いをし、たくさんの部員が部のために生活を捧げ、トップチームが関東リーグを戦っている。ピッチに立つものはその人たちの思いを背負って戦わなければならない。真剣勝負の舞台である。しかし慶應は今シーズン結果がついてこなかった。ここで話を最初に戻すが、大学サッカーはプロではないのである。そしてプロを目指す人が少ない。そんな大学サッカーで最も大切なことは勝った負けたよりも、4年間、何を目指して何をして、どうもがいてきたかなのかもしれない。結果が欲しくて、誰かの思いを背負いたくて、誰かの期待に応えたくて、自分の生活を必死にサッカーに捧げてきた経験が人を成長させるのだろう。


最終節、ピッチで戦う仲間たちを見てこんなことを思いました。という話でした。みんな、本当にお疲れ様。みんなのプレーが、行動が、生き様が人の心を動かしたと思います。少なくとも俺はとても心を動かされました。出た人も出てない人も、みんなかっこいい尊敬すべき同期です。

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