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ウイスキーは太りにくい。オトナのハイボールが飲める創業100年のバー

緊急事態宣言の延長で、おうち時間を何をして充実させるか、ますます考える。
私はアルコールはさほど強くないが、少し酔った時の、ホワっとした感じが好きで、ほぼ毎日夕飯時に何か飲んでいる。

最近はウイスキーの水割りか、ソーダ割りにしている。お酒が強くないのに、アルコール度数が40度のウイスキーをなぜ飲むのか。それはウイスキーは太らない、と聞いたから。蒸留酒なのでワインや日本酒と比べて、糖質が無いから太りづらいとのこと。しかもワインに比べてコストが安く済む。

私の場合家飲み用なら1本1000円以下のワインしか買わない。量をそんなに飲まないので3日か4日でなくなるが、ウイスキーだとたっぷりひと月以上飲めるし、角瓶は1300円位である。最近は気温も高くなり、特にハイボールが美味しく感じる。

ハイボールで有名なバーといえば「サンボアバー」で、こちらは
なんと100年以上続いている。正直、バーで100年以上続いているところがあるなんて驚きだった。「サンボアバー」のハイボールはサントリー角瓶とソーダ。氷無し。基本はダブル。

オーセンティックバーというカテゴリーで、大人が通うお店、という雰囲気。「通う」というのが当てはまる。なぜなら「通っている」人が多いからである。

ほとんどのお客さんは定番のハイボールを頼むが、見ていると、何も言わなくても飲み物が出てくる人がいる。常連さんだろう。ダルマと言われるウイスキーのハイボールが出てくる紳士や、白州の水割りが出てくるおじいさんがいた。

アルコールが強くないにもかかわらず、私がバーに行く楽しみが二つある。
ひとつは、ウイスキーは太らないことをよしとして、色々なウイスキーを飲めること。
私の場合ストレートでは飲めないので、ウイスキーの銘柄によって、水割りにしてもらったり、ソーダで割ってもらったりしている。

飲み比べてみると、同じような琥珀色でも、違いがある。かなり味に特徴があり薬のようなもの、甘みを感じるもの、スモーキーな香りのものなど違いが分かって面白い。ウイスキーの世界もとても奥が深い。

ふたつめが、カウンターのお客さんの観察である。「サンボアバー」はテーブル席よりカウンターの方が人気がある。
カウンターを挟んでお客さんとバーテンダーが会話している内容は、連れではない別のお客さんにも当然聞こえている。

面白いなと思うのは、途中から、その別のお客さんが、自然な感じで会話に加わっていく、といった場面が、割とあること。会話のテーマは、時事問題や、歴史の話や多少毒を含んだ話題などさまざまであるが、初対面の人同士が、バーテンダーを中心に、程よい距離感で話をしている。そんなシーンを時々見かける。
そしてその人たちは、連絡先を交換して友達になるわけではなく、自分のペースで飲んだら「じゃ、お先に」と言って帰る。

大人の社交場というものだろうか。マナーと適度な距離感、相手への敬意、など様々な要素を持っていないと参加してはいけないところだと思う。

バーテンダーとお客さんとの距離感も絶妙な気がする。前に出過ぎず、来店の目的を察知して邪魔しない。
「サンボアバー」はハイボールに氷を入れない。このやり方で100年以上続いてきたのは、お客さんとの距離の取り方も含めて「不易(変えてはならないこと)」を守ってきたからだろう。
 
私は棚に並んだカラフルなウイスキーの瓶を見ながら、自分のことをぼーっと考える。 
不安なこと、迷っていること、嫌なことなど、諸々が、酔いとお店の雰囲気で「ま、いいか」と思えてくる。
そして「明日から頑張ろう」と前向きになってお店を出る。 

銀座サンボアのマスターは本を出していて、「サンボアバー」100年の歴史と伝統、バー文化史が書かれていて面白い。
しかもこの4月に神戸に4店目を開店した。緊急事態宣言で今は休業しているが、早く終息して神戸のお客さんとお店のやりとりを観察したい。

銀座サンボア
http://www.samboa.co.jp/wp/ginza/


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