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モノは無くても子は育つ

子どもに「欲しい!」と言われたモノをどこまで与えるか。親として誰もが一度はぶつかるテーマです。

私は教育のプロではありませんが、整理収納アドバイザーという立場から「部屋をキレイに使える人間に育てる」という視点で考察します。

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与えすぎるとどうなるのか

裕福な芸能人の子が、湯水のように親の金を使って悪い仲間と犯罪の道へ‥というニュースは定期的に世間を騒がせます。

望めば手に入る環境では大切にする心が養えません。モノだけでなく人間関係まで「壊れてもまた買えばいい」という感覚のまま育ってしまう。これってすごく怖いことです。

お金やモノに執着が無い子は、いくら手に入れても満足できず常に新しい刺激を求めてしまい、モノはあるのに心はいつも飢えているというストレスフルな状況に陥ってしまいます。

いわゆる"片付けられない症" の方には、裕福な家庭で育った方も多く、広い部屋を衝動買いした不用品でパンパンにしてしまう様子を私は何度も見てきました。

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では逆に、

与えなさすぎるとどうなるのか

親に与えられなかった子は、それを外で求めます。

ゲームを禁止されている子が友達の家に行くと、ゲームのコントローラーを離しません。家で出来ない分ここでやるんだ!と言わんばかりに友達を放ってゲームに夢中になります。同様に、スナック菓子を禁止されている子は、よその子が持ってきたお菓子を貪るように食べます。

十分に与えられてこなかった子どもは、大人になって自分で稼げるようになったとたん、タガが外れたように衝動買いにはしるケースが多々あります。これも、きっと「片付けられない大人」に育ってしまうでしょう。


では、どうしたら良いのか。
どの程度与えるのが正解なのでしょうか。

無理やり禁止にしないこと

家で与えられていなくても、ちゃんと外で自制できる子もいます。そういう子の特徴は、本人も納得した上で与えられていない ということです。

A: 誕生日には僕もゲームが買ってもらえるんだ。それを楽しみにしてるから友達にはまだ借りない。自分のゲームを手に入れた時の楽しみが半減しちゃうから。

B: スナック菓子は体に良くないし、僕はスポーツをやっているから骨や筋肉を育てるためにカルシウムの含まれたオヤツを食べるようにしてる!

こういう子が本当にいるんです。Bの子は、サッカー選手を目指していて、甘いものやスナック菓子は食べませんでしたが、よくフィッシュアンドナッツという煮干のオヤツを持ってきてくれました。


結論(まとめ)

① 気軽に与えすぎない
② 与えない理由を説明する
③ 子どもに自己解決への道を残す

①気軽に与えすぎない
リベラルアーツの両学長(YouTubeでお金の学校を運営されている方です)がこんな話していました。
「二回頼まれるまでは買い与えるな」
両さんはご両親からこう教わったそうです。本当に欲しいモノなら、一度断られてももう一度相談に来るはずだからと。

② 与えない理由を説明する
相手が子どもでも「なぜ与えられないのか」をちゃんと説明して聞かせます。 ポイントとして「あなたのため」とは言わず、親である自分の意見として話すことが大切です。

「あなたの体に良くないからオヤツはダメ」じゃなくて 「あなたが体を壊すとママは悲しい。できれば成長期には栄養になるモノを食べてほしい」という、こちら側の意見を冷静に伝える感じです。納得して我慢するかどうかは子どもの自由。何度かアドバイスを続けるのは、親の自由です。

③子どもに自己解決への道を残すこと
本当にどうしても手に入れたいモノがあって、それが「自分が子どもだから」という理由で諦めざるを得ない場合、無力感につながってしまうことがあります。

そうならないために
⚫︎交渉の余地を残しておく
⚫︎代用品や妥協案を提供してあげる

これも大切かなと思います。

例えば、歩合制の小づかいを設定して(お風呂掃除10円、花の水やり10円‥とか)子どもでも必死で頑張れば自分で欲しいモノを買うことができる!という体験をさせてあげたり。

創意工夫をして代用品を手に入れるヒントを与えたり。(ラジコンは買わないけど、自作する材料や方法なら与える、教えるとか)頭ごなしに否定はせず、与えすぎずに見守る姿勢が大事なのかなと思います。

モノを大切にするという事を教えるには

苦労して手に入れたモノを粗末に扱う子はいません。

与えるまでに苦労体験を与えることで、自分で考え(思考力・判断力)自分にルールを課し(自制心・忍耐力) 努力や工夫をして手に入れる達成感や自己肯定感を得ることができるでしょう。

それは「モノを大切にしなさい」とか「片付けなさい」と何千回言うよりも効果的です。豊かな時代に育った現代っ子には、何が自分に本当に必要なモノなのかを精査して取捨選択していく力が必要になります。 

将来子どもがモノだらけの汚部屋で苦労しないように、モノと向き合って生きていく術を優しく教えていけたら良いですね。


今日も片付けでちょっと楽しく
整理収納アドバイザー
井上ヒロ

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