ChatGPTの創造性に?
ChatGPTは、要件に基づくシステム設計は困難
ChatGPTに、一連の記事に記載している歩行訓練ロボットのような「要件」を入力して、その要件を満たすような「システム設計」をさせるのは難しいようです。
なお、ChatGPTは、2023年4月1日現在のGPT-3.5です。
ChatGPTは、システム設計として何をすればよいかそして何を設計書として書けばよいかその項目を提示してくれたため、その項目に基づきシステム設計仕様の作成を依頼しました。結局、自分が期待したようなシステム設計書を書いてくれませんでした。
結果は、
ChatGPTの回答は入力した要件に書いたことをオウム返ししたように、
〇〇機能仕様
XXXすべきです。
XXXする必要があります。
〇〇システム仕様
XXXする必要があります。
XXXしなければなりません。
という回答ばかりでした。XXXは要件に書かれていることです。
歩行訓練ロボットの「要件」を一度に入力しているため、その入力の仕方がよくないのかもしれません。ChatGPTにまとめて入力した要件をもとにシステム設計してもらうのは困難で対話しないとだめですかね。
ChatGPTの話から少々脱線しますが、
エンジニアにも同じことをする人がいます。要件をそのまま機能仕様として書く人です。システム設計ですから「xxxしなければならない」ではいけません。これは要件です。システム設計ですから、「xxxする機能の仕様」を記述しなければなりません。
トライアル&エラー
先に書いたように、ChatGPTに対する入力情報の仕方がよくないのかもしれません。何度も質問して、何度も回答を要求したあげく、ChatGPTにできませんと言われてしまった例です。ChatGPTも開きなおります。
Q:あなたに要件を入力するとシステム設計書を書くことができますか?
A:Something went wrong. If this issue persists please contact us through our
help center at help.openai.com.
このままでは目標達成できないと思い、視点を変えてみました。
日本語で書かれたシステム仕様に関する情報が少ないのでは?と思い、要件定義を英語に翻訳し、1度に入力してシステム仕様書に書くべき項目をその都度与えて、その項目のシステム設計書の部分を書くよう英語で依頼してみました。
するとどうでしょう。歩行訓練ロボットは英訳するとGTR(注1)になってGTRがヒットしたようです。システム設計書の項目ごとに、とあるGTRのシステム設計例を示してくれました。
自分は医療機器に関する専門家でないため、GTRという用語を知りませんでした。なお、自分が考えている歩行訓練ロボットはGTRではありません。
そのため、そのシステム設計例はそのままは使えません。
企業が製造している製品のシステム設計仕様は社外秘で公開されない情報です。たまに、その企業が申請している特許に大まかな情報が書かれていることがあります。ChatGPTはどのような文献(情報)を取り込で学習しているのかわかりませんが、知りたくなります。ChatGPTは少なからずGTRのシステム設計情報を持っているようです。
今、ChatGPTが提示したGTRのシステム設計例を参考に、私が考えている歩行訓練ロボットのシステム設計仕様を自分の頭で作成中です。
注
1.Gait Training Robot (GTR): 歩行障害のある患者に理学療法士指導のもと歩行訓練を提供するために設計されたロボット。
下にGTRの例としてLOKOMATの動画のURLを掲載します。すごいロボットですね。
LOKOMAT (irc-web.co.jp)
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