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学校と社会がつながるという意味

 こんにちは.広域性通信制高校サポート校・CAP高等学院の代表をしています佐藤裕幸です.最近では『シン・ニホン』公式アンバサダーに就任しました.
 現在,『シン・ニホン』第4期アンバサダーの募集をしております.ご興味のある方は,是非お申し込みを!
 お申し込みは→https://shinnihon-ambassadors-4th.studio.site/?fbclid=IwAR1so-j-qxmrdg1pdQjViZRZSFSiaxSKc5XwvJK1FM8gxp7p_PBJ-rINJac

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「高校生と社会をつなぐ新しい学びのインフラを構築する」を改めて考える.

 先週のnoteにも書きましたが,毎週水曜日の夜は,ベネッセ総合教育研究所主催のオンライン座談会に参加しています.今回も参加しました.
 東京・埼玉・神奈川・千葉も含め,全国11都府県に緊急事態宣言が出された直後の座談会ということもあり,今後の学校運営に関する様々なことについて対話をしました.

 その中で,ある方が「社会とつながる」ということの意味について皆さんに問いを投げかけてくれました.

「最近,様々な学校の先生方が社会とつながることの重要性を話されますが,社会とつながるということはどういう意味でつながるということでしょうか?」

 「例えば,学校に外部の方を招いて講演をしてもらうとか,授業に参加してもらうとかもつながるということかもしれません.また,先生方が学校外に出ていき,外部の方とつながることを言っている人もいるかもしれません.さらに言えば,今社会で起こっている様々なことを見聞し,自分なりに考えて行動することを言うのかもしれません.皆さんの社会とつながると言う意味を聞かせてほしいです.」と言う問いでした.

 僕が代表を務めるCAP高等学院は,「高校生と社会の間にある(と勝手に思われている)様々な垣根を壊し,高校生と社会をつなぐ新しい学びのインフラを構築する」ことをミッションに掲げていますので,とても重要な問いということになります.

僕が本格的に社会を意識し始めた理由

 そもそも僕が「社会とつながる」ことを意識したのは,私立中高一貫校に勤務していた時でした.

 前勤務校は、前年度以上にアクティブ・ラーニングを推奨するために,“Find アクティブラーナー”という動画サイトと契約をしていました.そこには様々な活用事例が紹介されており,時間を見つけて動画視聴していました.しかし,部分的には参考になるものの,自分の中ではなんとなくフィットしない感覚でした.その原因を僕なりに考えているうちに,

「そもそも取り上げられている先生と僕の個性は全く違うし,しかも授業を受けている生徒も全く違う.あまりにも異なる条件のものを真似しようと思っても,うまくいかないのではないか?」

という漠然とした違和感が生まれました.

 そしてある時大きな転換を迎えます.これまでのように“Find アクティブラーナー”をなんとなく見ていると,毎年開催している基調講演の映像がアップされていました.タイトルは「インターネット時代のラボ教育」.講演者の名前は,“落合陽一”.正直この時まで落合氏の存在すらわからなかリませんでした.ただ,講演のタイトルがすごく気になり,見てみました.

https://school-fal.com/set/1728/con/1722

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 はっきり言って,途中で語られている内容は理解できないものもかなりありました.しかし,何故落合氏が教育に関心を持つようになったかという動機を聞き,衝撃を受けました.内容はWIREDと電通とコラボして,平均年齢15歳の子供たちに3日間ワークショップをした時のこと.ハードウェア・ソフトウェア・機械学習・UXについて学ぶものだったが,参加した全員が最終日に作品を完成することができたそうです.しかし,そのワークショップの内容は5年前なら修士論文レベルのもの.つまり,中学生がアクセス可能なインターネットの上から集めてくることができるソースコードと,修士課程で大学院生が頑張った5年間は同じぐらいという事実を伝えていました.

 落合氏は「これはすごい問題です.つまり,インターネットはものすごい下駄を人間に履かせているので,ステート・オブ・ジアートの最先端なものをずっとやり続けないと,もはや使いものになる人材なんて出来ないのですよ.つまり、何を教えても,5年分教えたら9年分時間が戻ってしまうということです.」と語ったのです.このコメントに,僕は相当の危機感が生まれました.僕よりも20歳も年下の人が,ここまでの問題提起をしているのに,これまで僕は何を生徒さんたちに伝えてきたのだろうか? 「学校を変えるとか,大人を変えるとか言っている場合ではない.まずは本気で変わらなければいけないのは僕自身.今日から変わる!」と心に決めるきっかけになりました.
 ちなみに...この動画は5年前のものです.この時からさらに9年進んでいたと考えたら,果たして僕は生徒さんたちを4年戻すような過ちはしていないだろうか?気になるところです.

 では,変わろうとして始めた行動は何か?
 まずは,落合氏の動画を検索して見まくりました.その中で見つけたのが,“NewsPicks”という経済メディアでした.
 アプリをインストールし,有料会員になり,“WEEKLY OCHIAI”を見るようになりました.落合氏が京都大学で講演をするということを知り,生で教育を語る落合氏の話を聞きたいと思い,京都大学まで足も運びました.
 生で話を聞いてみたら,もっと聞きたいと思い,“WEEKLY OCHIAI”のスタジオ観覧にも行くようになりました.

 しかし,“NewsPicks”を落合氏の話を聞くだけに利用していたわけではありません.NewsPicksのアプリ上では,様々なニュース記事に対して,コメントができる機能があり,コメントをする人たちを“Picker”と言います.中にはPro Pickerと言われる様々な分野のスペシャリストが,記事の内容をわかりやすく解説までしてくれます.
 僕は,最初記事やコメントを読む所謂“ROM専”でしたが,教育問題やテクノロジーに関する記事について少しずつコメントを書くようになり,何となく“Picker”の仲間入りをしていった感じです.コメントを発しているうちに,徐々に社会とつながる実感が生まれてきました.

 そして,このシステムは,「使えるかも!」と思うようになりました.担任をしているクラスの生徒たちに,毎朝yahoo!ニュースなどから気になる記事をPick upし,コメントをつけてポートフォリオに残すという活動を始めるきっかけになったのです.

「僕が生徒さんたちに届けたいのは,社会を知るきっかけを作ることなのかもしれない」

 「高校生と社会をつなぐ」の原点はここにあります.

 この取り組みは,2018年12月14日のピッカー感謝祭というイベントで,「はじまりはNewsPicks」というエピソード発表の場で,「高校生おっさん化計画」と題して発表する機会をいただきました.その時の様子もレポートしていただきました.

 発表をきっかけに,様々な方と知り合いました.これまでは教育業界の方との繋がりしかなかった僕は,ここでも社会とのつながりを実感していきます.さらにNewsPicks のスタッフの方とも知り合うことができました.ダメもとで「勤務校の中学生や高校生にNewsPicksを体験してもらって,本当にニュースを面白く感じてもらえるような企画をしたいのですが,企業見学とかお願いできないですか?」と話したところ,どうやらその方は重役さんだったらしく,「面白いですね.僕たちも今高校生とかに非常に興味があって.いいですよ」と.その後何度かやりとりをして,2019年3月、NewsPicks 本社企業見学が実現しました.その時の状況をまとめた記事がこちらです.

 僕が思い切って学校外部の方とコミュニケーションを取ることで生まれた企画によって,海外留学を決意する生徒さんが出ました.海外医療ボランティアに参加したり,プログラミングを学びに長期の休みを利用して東京に学びに行く生徒さんも現れました.見学した企業は経済メディアでしたので,直接将来につながるものではなかったかもしれません.
 しかし,これまで出会ったことがないタイプの人々と出会うことで,僕自身もそうでしたし,生徒さんたちもそうでしたが,「自分はどうありたいか?」を感がる良いきっかけになったのかなと思います.

社会とつながっていると実感する大切さ

 最近たくさんの高校生と話す機会が多いですが,その生徒さんたちのほとんどが

「社会になんらかの形で貢献したい」

と話してくれるます.
 とは言え,「社会とは?」という問いを理解しているかというとまだまだなのかなと感じています.それは学校という閉じられた社会の中だけで生きていると,そもそも学校という“社会”がもっと大きな社会の中に含まれていることに気づかないこともあり,社会との繋がりを実感できないところがあるのではと感じるからです.

 だからこそ,僕個人が「社会とつながるとは?」という問いに対して,どう答えるかというと,

自分以外の立場の人の存在をはっきりと実感できること

だと考えています.

最後に手前味噌ですが...

 そういう意味で,年齢や立場など全く関係なく,参加している全ての人がお互いを尊重しながら,「この国(日本)は,もう一度立ち上がれる」を本気で対話できる,『シン・ニホン』アンバサダー養成講座は社会とつながる本当にいい機会となれるはずです.募集締め切りは2021年1月18日(月)となります.是非ともご応募をお待ちしております.

お申し込みは→https://shinnihon-ambassadors-4th.studio.site/?fbclid=IwAR1so-j-qxmrdg1pdQjViZRZSFSiaxSKc5XwvJK1FM8gxp7p_PBJ-rINJac



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