見出し画像

「自立」とは人に頼らないことではない

  一般社団法人CAP高等学院の代表理事をしています佐藤裕幸です。CAP高等学院は広域性通信制高校である鹿島山北高等学校と提携しているサポート校で、高校卒業に必要な単位を所属する生徒さんに最適な形で取得をしてもらうためにサポートをする一方、時間割がないオンライン上の学校にすることで、生徒さんの情熱と才能を解き放ち、自分の在り方を考えてもらっています。

ロゴをクリックするとCAP高等学院のホームページにアクセスできます

 最近、あるセミナーがきっかけで知り合った何人かの方と、お互いの事業について、その内容を共有しながらさらに事業を発展させようという取り組みをしています。僕自身は、昨年の9月にCAP高等学院を一般社団法人化しているので、正式に言えば個人事業主ではないのですが、全く異業種の他の個人事業主の方々とさまざまなことを対話しながら、自分がこれまで実行してきたことと明らかに異なる事例を見せてもらうことで、自分お事業に役立てられることが発見できて、非常に刺激的な時間を過ごしています。
 そのような中で、ふと「自立するとはどういうことだろう?」と頭の中をよぎりました。
 今回は、「自立する」ということについて、少し書いてみようと思います。


「自立」の辞書的な意味

 自立とは、「自分以外のものや人の手助けなしで、もしくは支配を受けずに物事をやっていくこと」と辞書的な意味としては定義できるかと思います。しかしながら、実際のところ、誰にも何にも頼ることなく、物事を行うことは不可能であることは皆さんも理解はしていると思います。
 それでも、自立を、「自分以外のものや人の手助けなしで、もしくは支配を受けずに物事をやっていくこと」と考えすぎて、何もかも自分でやろうとして苦しくなっている人は結構多いのではないでしょうか?
あなたも、自分一人で全てをこなそうとして、苦しんでいませんか?

  • 家事、仕事、育児…全ての責任を一人で背負い込み、疲れ果ててしまう

  • 周りに頼るのが苦手で、一人で抱え込み、ストレスが溜まる

  • 自分の能力に自信がなく、人に頼ることを躊躇してしまう

  • 学校で宿題を出されたが、自力でできるものが少なくて、そのまま提出して先生に怒られるのが怖くなり、結局宿題を出さないままにする

 他にも自分ではどうすることもできなくて、苦しくなったり先送りにしてしまっていることはたくさんあるかもしれません。

「自立」を再定義する

 全てのことを誰にも頼ることなく、物事を行うのが不可能であるにもかかわらず、自立をそういうものだと捉えてしまい、その結果、あなたが苦しんでいるのなら、いっそのこと、「自立」の意味を再定義して、もっと楽に自立できる人になっていくことを考えてみてはいかがでしょうか?
 そこで、僕なりに「自立」を再定義すると、
自立とは、「自分の能力を最大限に活かせるように、周囲の力を借りること」
としてみたいと思います。

「未完了」による呪縛の発生

 僕が出会った本の中で、『降伏論〜「できない自分」を受け入れる』(高森勇旗著)というものがあります。タイトルにとても惹かれたのと、本のプロデューサーが『シン・ニホン』(安宅和人著)のプロデューサーでもある岩佐文夫さんだったこともあり、すぐに購入しました。

 この本の中で、「未完了はあなたのエネルギーを確実に奪う」とあります。ここでいう未完了とは、時間などの外部要因によって物事が終わる“終了”を迎えたものの、自らの意志ではまだ区切りをつけていない状態のことと定義しています。この“未完了”なものは、一旦発生すると完了するまでずっと心の中に残り続け、あらゆるエネルギーを引き寄せ、だんだんそのこと以外考えられなくなってしまう状態を引き起こします。
 これを「自立」に当てはめると、仮に「自分以外のものや人の手助けなしで、もしくは支配を受けずに物事をやっていくこと」としてしまえば、“未完了”になることが圧倒的に増えてきます。そうなれば、当然ストレスも増えていきますし、自身も失われることになります。

「未完了」を「完了」にするために

 『降伏論』の中では、「未完了」を「完了」にするための具体的方法にも触れられています。

1.いま、やる
2.いま、誰かに依頼する
3.いま、実行する日を決める
4.いま、やらないと決める

高森勇旗:『降伏論』より

 どれも、特別なことではありませんが、どうしても嫌なことは先に延ばしたくなります。そして、特に「2.いま、誰かに依頼する」は、「こんなこと頼んだら、笑われるのではないか?」とつい躊躇ってしまいがちです。そういう場合に、仮にお金を払えば解決できるのであれば、お金を払って専門の方に解決をお願いするのも決して悪いことではありません。自分の身近な人に頼みづらい時は、そういう解決方法もあるのだなと知っておくだけでも、「未完了」を減らすことができます。そうやって解決した姿を見せることは、結果的に「自立」した人間として周りから認知されてきて、自己肯定感も上げることができるわけです。
 つまり…
「自分の能力を最大限に活かせるように、周囲の力を借りること」
で、より自由に生きることのできる自立した人間へと近づけるわけです。

「自立」した個人として生きるためには

 では、ここで改めて「自立」した個人として生きるためには、次のように考えてみるのがいいのかもしれません。

  • 自分が得意なこと、好きなことに集中し、苦手なことは人に任せる

  • 周りの人に助けを求め、協力することで、より大きな成果を生み出す

  • 人に頼ることで、自分のキャパシティを広げ、成長の機会を得られる

 自分が得意なことや好きなことに集中することは、逆に自分の苦手なことや嫌いなことの理解が深まり、それらを手放すことで、自分の気持ちがいかに楽になれるかを実感できますし、単に周りの人に助けを求めるだけではなく、自分の得意なことや好きなことを使って、他人に協力・貢献することができます。その結果、今まで得ることのできなかった大きな成果をもたらすことも可能になります。そして、その大きな成果は、自分のキャパシティを広げ、さらなる成長へと導いてくれるわけです。つまり
 人に頼ることは、決して弱さではありません。むしろ、強さであり、賢さです。
 周囲の力を借りることで、あなたはより自由に、より自分らしく生きることができるのです。

人に頼ることを恐れない

 人に頼ることで、これまで以上に充実した生活をすることができるのであれば、人に頼ることを恐れる必要はありません。周囲の力を借りることで、自分が想像以上に輝くことができるれば、周囲からは「自立」した一人の個人として、認められます。逆に、自ら協力することを惜しまなければ、より「自立」した個人として周囲からの評価も上がり、自己肯定感も高まることになるわけです。

児童・生徒の皆さんにこそ伝えたい本当の意味での「自立」

 学校生活の中で、徐々に社会での「自立」を求められる準備をしている児童や」生徒の皆さんにこそ、実は「自立」の本当の意味を伝えたいと思って書いています。
 今回の記事の文頭で、「あるセミナーがきっかけで知り合った何人かの方と、お互いの事業について、その内容を共有しながらさらに事業を発展させようという取り組みをしています。」と書きました。取り組みに参加されているどの方々も、フリーランスで仕事をされています。これまではずっと一人で自分の事業に取り組んできましたが、今回をきっかけに仲間として、お互いが切磋琢磨し、自分にないところはそれぞれの力を借りて、より自分の事業の発展を目指しています。
 最近はChatGPTなどの自動生成AIもものすごい勢いで発展していて、個人でできる仕事の量も圧倒的にこなせるようになってきています。実際、先日X(旧Twitter)に投稿された内容が、あまりにも衝撃的すぎました。

内容は、「AI により、小規模なチームがより大きなことを達成できるようになります。 たった一人の会社でも 10 億ドルの評価額に達する可能性があります。」
 そのくらい急激にデジタルテクノロジーは進化してると言えるわけですが、同時に、「自立」した個人でさえいれば、たった一人で企業を運営することも可能な時代になってきています。
 と言うことは、大企業に所属していたり、公務員であることが必ずしも安定を勝ち取っているとは限らず、肩書きに頼っている人は、「自立」した個人として見做されない可能性すら出てきたと言うことです。
 つまり、本当の意味で「自立」した人になるためには、

  • 自分の限界を認識することの大切さを知る

  • 自分が得意なこと・好きなことに焦点を当てる

  • 助けを求めることの正当性を理解し、不得意なことや嫌いなことは他人に任せる

  • 他人の支援を受け入れることの価値を知る

  • 社会の中での自分の位置を再評価する

  • 自己実現への道をはっきり描く

  • 社会的なつながりを強化する

これらを積極的にできるようになることが、今の時代の新しい「自立」につながります。
 人に頼ることは、決して恥ずかしいことではありません。むしろ、自分の可能性を広げ、成長するためのチャンスです。あなたも、勇気を出して人に頼ってみませんか?そして、全力で頼れる仲間を探してみませんか?きっと、あなたの世界は大きく広がるはずです。「自立」とは、一人で頑張るのではなく、周囲の仲間と協力しながら、自分の人生を切り開いていくことです。あなたも、人に頼ることを恐れずに、自分らしい人生を歩んでいきましょう。

最後に…

 一般社団法人CAP高等学院は、広域性通信制高校・鹿島山北高等学校提携のサポート校です。教室を持たず完全オンラインで最適・最速の単位取得を実現し、空いた時間を生徒が自分のやりたいことを見つけるための活動に使ってもらっています。
 1日6〜7時間、机の前に座り先生の話を聞くだけの授業は一切ありません。自分の学びは自分で決めることができます。
 確かに自分の責任のもとで学びを進めるのは、不安しかないと思います。しかし、そこはもちろん代表である私・佐藤が伴走者として、生徒とともに学んでいきますし、一人ひとりの生徒さんにとって最も大切なことを発見していくように見ていきます。
 中学校3年生にとってはいよいよ進学先を決める入試が控えています。また、現在高校に通ってはいるものの、年度末になり「このままでいいのだろうか?」と漠然とモヤモヤしている高校生もいるかと思います。
 さらに、お子さんを見ていて、どことなく不安を感じている保護者の方もいるでしょう。
 もしそういう悩みやモヤモヤがあるようでしたら、いつでもCAP高等学院のホームページにアクセスして、お問い合わせください。入校するしない関係なく、ご相談を受け付けます。「完全オンラインの学校って、切磋琢磨できる仲間が見つかるの?」という疑問も出るかもしれません。そのような様々な疑問にも答えます!
 お問い合わせは、私の個人メールhiro.sato@caphighschool.comにでも構いません。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?