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低山に行くと若返る話

低山に登るのが好きだ。
息もそれほど上がらずに、ハイキング気分で登れる山。
低山にはご高齢の登山者も多い。

東京の青梅にある低山に登ったときのこと。
やはりシニア世代の登山者が多く見かけた。
後ろから彼らに追いつくと、お先にどうぞと道を譲ってくれた。
その時、声をかけられた。
「おぉ元気だね」「いいね、若いって!」
ハッとした。

私は決して若くないのだ。
先日も職場の若手社員と「金田一少年」の話になり、
「Hey! Say! JUMPの山田涼介くんのドラマですよね」と言われ、震えた。
ちがう、金田一と言えば「堂本剛」だ。
そんな年齢だ。

シニア登山者の「若い」という言葉に困惑し、ヘラヘラしながら彼らを追い抜く。
そして歩きながら、かけられた言葉を反芻する。
そうか。まだ若いのだ。
そう思うと急に身体が軽くなり、自然と歩くスピードが上がる。


前方に別のシニア登山者のグループを見つけた。
先ほどよりも軽快に挨拶をして、必要以上に風を切って颯爽と追い抜いた。
追い越し際に「若者はさすが早いね」と呟きが聞こえた。

金田一少年は剛だし、SNSと言えばmixiだ。
でも私は若い。

はつらつとした表情で下山をし、満ち足りた気持ちで家路に着く。
だから私は低山が好きだ。

お気に入りの低山「高水三山」、下山後に御嶽渓谷でのんびりする定番コース

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