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音楽記(Musik)

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聴いた音楽について(不定期) WEBと並行して更新継続。
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#憑在論

⑭ The Belbury Poly / The Path (2023)

⑭ The Belbury Poly / The Path (2023)

『FEECO』誌特別号『MUSIC + GHOST』で大々的に取り上げたGhost Box Records。その共同経営者であるジム・ジュップのプロジェクトBelbury Polyのニューアルバム『The Path』が先日リリースされた。同号でインタビューをして以来、プレスリリースを送ってもらえるようになり、今回も音源からアートワークまで一式寄せてもらった。アナログを購入したはいいもののまだ届いて

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⑪Andrew Wasylyk / Hearing the Water before Seeing the Falls

⑪Andrew Wasylyk / Hearing the Water before Seeing the Falls

 昨年購入したはいいが、ずっと積んだままであったアンドリュー・ワシュリクの最新作。遠海や孤島を撮影し続ける写真家トーマス・ジョシュア・クーパーの展示『The World's Edge』のために書かれた本作は、実際にワシュリクがクーパーとともに大西洋に浮かぶ孤島へ出向いて、現地から録音した音を素材にしている。世界的な海抜の上昇により35年以内に水没すると言われている島々の記憶を、クーパーは写真として

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⑩The Advisory Circle / Full Circle

⑩The Advisory Circle / Full Circle

12/10発売の『MUSIC + GHOST』で主題となるGhost Box Recordsは、音楽評論家のマーク・フィッシャーやサイモン・レイノルズが憑在論(hauntology)というタームを使用する際によく例示された。同レーベルが探求するのは50年代末から1978年の英国についての記憶だ。マーク・フィッシャーは、この志向を79年からのマーガレット・サッチャー政権によってフェードアウトさせられ

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