アグレッシブな烈子ちゃん

※アグレッシブ烈子シリーズのネタバレあります。

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2015年、40年以上に渡って様々なキャラクターを生み出してきたサンリオの“攻め”の姿勢は留まるところを知らなかった。

『アグレッシブ烈子』というキャラクターを生み出したからだ。

見た目はサンリオらしい正統派のカワイイレッサーパンダのキャラクター。しかし彼女にはもう一つの顔がある…。

25歳、一般会社に務めるOL（オフィスレイデー）である彼女は、その大人しく頼まれたら断れない性格ゆえ、理不尽な量の仕事を押し付けられたり、クセの強い社員に振り回されたりで、日々ストレスに悩まされている。

そんな彼女の唯一のストレス解消法、それは、一人カラオケに行ってデスメタルを熱唱すること。

ゴリゴリのメタルサウンドに乗せて会社での愚痴をデスボイスで叫び倒す。顔も普段のカワイイ顔とは真逆の、KISSのような顔面に変貌する。

しかし彼女にとってその瞬間だけは誰にも邪魔されず真の自分をさらけ出せる貴重な時間なのだ。

そうして溜まったストレスを一気に吐き出し、彼女は再びストレス社会へと舞い戻っていく。

そんなあまりにも個性的なキャラクターである烈子だが、現在はNETFLIXでアニメシリーズが公開されており、つい最近第2シーズンも公開されたところである。

僕も一通り観させていただいたが、はっきり言ってこれはサンリオ云々以前にひとつのアニメ作品としてもっと評価されるべき名作だ。

まず烈子というキャラクター自体、サンリオという枠の中では非常に個性的なキャラクターではあるが、現実にこういう人は必ず存在する。

頼まれたら断れない、周りが眩しく見える、人に言えないもう一つの顔を持っている。

当てはまる人は多いのではないだろうか。

事実そんな烈子に共感する人は国内どころか海外にも非常に多く、キャラクター大賞の海外順位ではいくつかの国で烈子は上位に入るほどの人気を誇っている。

しかし共感できるのは烈子のみではなく、登場するキャラクターの全てがことごとく現実世界のどこの組織にも必ずいるタイプのキャラクターばかりなのが凄い。

烈子の同期でありSNSで他の社員の同行を常に探っているフェネックのフェネ子、女性を見下している古い考えの豚のトン部長、上司には媚びまくり部下には偉そうなミーアキャットの小宮、女を武器に上司にも甘やかされ同姓から嫌われるタイプのトムソンガゼルの角田、シーズン2から登場する能力の低い自分を理論武装で徹底的に守り抜くアナグマの穴井、賢くクリエイティヴだがスーパー合理主義のロバ（？）の只野など、現代の組織というものに属する人間のあらゆるタイプがそこに凝縮されているため、観る人のほとんどがこの作品のどこかに必ず自分を投影できるキャラクターが存在しているといえるくらいリアリティのあるアニメなのである。あとマニアックな動物が多い。

それゆえにいくらカワイイ絵柄とギャグのノリで緩和されるといっても、たまに本当に烈子が可哀想に思えてきてしまう場面もあるため、アニメや映画などに現実逃避を求める人にはもしかしたら向かない作品かも知れない。

僕ももし一般企業に勤めるサラリーマンだったら観るのはちょっとしんどかったかも知れない。事実昨今よく騒がれているパワハラ問題やブラック企業問題なんかの要素も混ざっているので、サンリオ作品としてはやはりちょっと重く、完全に大人向けの異端の作品である。

ただ面白いことには間違いなく、そもそもシンプルに烈子がカワイイのでそれだけでも充分に観る価値はある。

去年のキャラクター大賞では国内20位まで上り詰めながら今年は目立った活動もなく41位まで下がってしまった烈子。しかし配信されたばかりのシーズン2ははっきり言ってシーズン1をも上回る面白さだ。これが口コミなどで広がりどんどん烈子の存在が世に知れ渡っていけば国内ブレイクの可能性も大いにあると思う。

個人的にはとても応援してます。

がんばれっさー！（シーズン2では言わくなってしまった一発ギャグ）

（ところでサンリオショップなどで見る烈子グッズの7、8割方がデス顔のものなのだが、あれは逆にならないかなあ。
お笑い的な見方になるが、烈子にとってデス顔はいわば“オチ”の顔なわけで、普段の“振り”とも言えるカワイイ顔をしっかりと見せてこそ生きる顔のはずなので、オチをメインで見せてしまうのはどうかなーと。
大いなる可能性を秘めたキャラクターだと思うのでもったいないなーと思ったり。）

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追記：
7月28日の芸能サンリオ部でのピューロイベントのチケット一般発売始まってます。
トークありお芝居ありダンスありでしかもキャラクターまで登場していろいろ楽しいことやるので是非遊びに来てください。
ピューロランドの入場料込みで5300円。これを機にピューロランドという空間の素晴らしさを知ってもらえれば。
勿論我らのイベントも最高のものをお見せします。
是非ともいらっしゃいませ。

https://www.puroland.jp/spl-event/geinosanrio/