20240928　蔵王と沖縄

小学生の頃、父が思いついたようにスキーへと連れていってくれたことがあった。年が離れた末っ子だったこともあってあまりスキーだとか海水浴だとか、いわゆる家族旅行っぽいこととはちょっと縁が遠かったこともあって、「一度もスキーさせたことがないからさせとくか」くらいのノリで山形の蔵王へと連れていってくれた。

▼正確には幼稚園児の頃にたしか体操教室が主催するスキー教室に行ったことがあったのだけれども、その時はほとんどちゃんとスキーらしいスキーもせず、最終日にトイレに行くタイミングを逃してうんちを漏らしてしまい、先生にお風呂場で尻を洗われたことだけを記憶している。幼い頃はおねしょをしたりうんちを漏らしたり、とかく失禁していた思い出がやたらと多く残っている。

▼そうして蔵王のスキー場へと着いてみると、「よし、滑ってろ」と、父は私を放り出して自分の遊びへと出かけてしまった。私も私で子供ではなかったので、「まあそっちがそうだってんならこっちにも考えがある」と、スキーではなくてスノボを選択してみたりしていた。そうしてどこかの見知らぬ姉弟と一緒に若い先生に教えてもらいながら一日緩やかなゲレンデを滑っていた。

▼リフトに乗りながら、「そうか、スノボでリフトに乗る時は片足を外すんだな…」とぼんやりとボードをみながら何気なく足をぷらぷらしていたところ、思ったよりもボードが重く、揺れに任せてバランスが取りきれなくなってリフトから落っこちてしまった。数メートルの落下だったが幸い下に人がおらず、リフトも緊急停止してすぐに係員の人が駆け寄ってきてくれた。幸い怪我もなく、助けてくれた係員さんにお礼をしてもう一度リフトに乗り直した。

▼ゲレンデでは有線が流れていて、一日中滑っている間にどうしても気になる、かっこいい曲があることに気がついた。曲名がわからなくて、スノボの先生に「あの曲知ってますか？」と聞いても知らないという。当時はスマホの曲名検索なんかないのでなすすべがなく、覚えたフレーズをおぼろげに何度も繰り返すことしかできなかった。

▼MONGOL800の『小さな恋の歌』だった。曲名を知ったのはもっとずっと後で、その曲が入ったアルバムのMDを手に入れたのはもっともっと後だった。後年テレビでMONGOL800が主催しているフェスの様子が流れる機会があって、そのフェスでは数日間にわたって、マジに朝も昼も夜も様々なアレンジで『小さな恋の歌』が歌われていた。『小さな恋の歌』一曲で一点突破、とでもいうべき勇姿にすこし胸が熱くなった。だから今でも『小さな恋の歌』をたまに聴くと、蔵王のゲレンデとMONGOL800の地元の沖縄の海という、真逆の景色が同時に脳裏に浮かぶのだった。

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「一枚の舞台の床が、才能のゆりかごに。
野外で自由に演劇を上演できるようにするための所作台をつくりたい。」

一枚の舞台の床が、才能のゆりかごに。 野外で自由に演劇を上演できるようにするための所作台をつくりたい。 | MOTION GALLERY

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平泳ぎ本店／Hiraoyogi Co.　第8回公演
戸山公園野外演劇祭参加作品
『若き日の詩人たちの肖像』
2024年　5月17日（金）ー19日（日）
各日18時30分開演（17時45分受付開始・開場）
※雨天決行
於：戸山公園（箱根山地区）陸軍戸山学校軍楽隊　野外演奏場跡
https://g.co/kgs/Ksc4VNJ
【公演詳細】

第8回公演　戸山公園野外演劇祭参加作品『若き日の詩人たちの肖像』公演情報　詳細版