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【ミステリー】推理小説マガジン【最新作】

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#ミステリー #推理小説 ミステリーやサスペンスをテーマにした小説マガジンです。過去の短編作品も載せています。更新頻度は早くて毎週。 多くの人が楽しめるようエンタメに注力してい… もっと読む
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【目次】推理小説シリーズ【投げ銭箱】

投げ銭・サポート お気軽に 推理小説マガジンを創設しました。それに伴い、過去作品にわかりやすく触れることができるよう目次を作りました。創作活動継続のため、ご支援をよろしくお願い致します。随時更新しています。 作品紹介【第六話】 鋭意制作中 ◇ ◇ ◇ 【小話一話目】 掃除をしていたところ一冊の本を見つける。そこに書かれていたのは見知らぬ三人の名前だった。 ◇ ◇ ◇ 【第五話】 違法駐車している車に違和感を覚えたアパートの住人。近づいてみるとありえない驚きの

掌編小説「エレベーター」

邯鄲の枕 有名な故事の一つだけれど 夢か現か幻か 今となっては確認しようがない いいことがあったかと思えば 思い通りにいかないこともあったりと 慌ただしく妙に忙しかった日だった 「はぁ疲れた」 独り言にしては とても大きな声を出した気がする 足取りが重いまま 定員4名狭く古びた マンション用エレベーターに乗る 『もしもし』 通常の元気があったら 大声を叫んで反応していたことだろう 乗るときには誰もいなかったはずなのに 突然背後から声がした 『あっ、振り向かず

掌握ミステリー小説「あなたが犯人ですね。」

◇ 探偵 「あなたの親友Bさんが亡くなりました。」 Aさん 「一刻も早く犯人を捕まえてください。」 探偵 「私は殺されたとは言ってませんよ。」 ◇ ◇ 探偵 「状況を詳しく教えて下さい。」 第一発見者Aさん 「ナイフで刺されたようでした。」 探偵 「なぜそんなことがわかるんですか?」 ◇ ◇ ◇ 探偵 「Bさんが崖から飛び降りたようで亡くなりました。宿泊者名簿にAさんの名前もあったのですが、Bさんとは恋人同士だったそうですね。当日あなたは何をしていましたか?

140字小説「浮気防止アプリ」「最強議論」

浮気防止アプリ「浮気防止用にGPSアプリ入れとくね!」 僕は彼女に隠しているヒミツがあるのだが素直に従った。数日後、友人にスマホを預け彼女の家へ。案の定彼女は浮気をしていた。常に僕の居場所を知りたかったのだろう。ちなみに僕が隠していた秘密は本当の職業。GPSで全てを察したよ。僕探偵だからね。 最強議論「最強のゾンビって一体どんなんだろね。」 走るゾンビ、泳ぐゾンビ、耐核ゾンビ、分裂ゾンビ、様々な候補が挙がる。スマホをいじりながら端のほうで呑んでた男がボソっと呟いた。「空

掌編ミステリー小説「なんて手間のかかることを…」

◇ 探偵 「謎は全て解けました。」 「目撃者Aさんは"犯人は左利きだ"と仰っていましたが、実はそうではなかったんです。」 「犯人は巨大な鏡と照明を事前に用意していました。そして被害者を呼び出し、Aさんが通りがかったので犯人は犯行に及びました。Aさんの位置だと照明で誰か犯人かわかりません。そしてAさんは鏡により左利きだと勘違いしてしまった。Aさんはまんまと犯人に騙されてしまったんです。 「その証拠に鏡と照明を設置した跡がありました。右利きで動機がありアリバイがないのは○

#140字小説「trick」

「雨乞い伝説ってあるじゃん」 『うん』 「あれって昔の気象予報士だと思うんだよね」 『そうなの?』 「雨が降りそうな時に丁度現れたら奇跡に見えるじゃん?そもそも自由に天候操れるなら誰も干ばつで困らんし」 『確かに』 「不思議ってネタが分かれば案外単純なんだよね」 #140字SS #140字小説 #ショートショート #超短編小説 #超短編 #掌編小説 #オリジナル #創作 #小説 #140文字

掌編小説「停留所」

おかしい。絶対おかしい。 駅行きのバスが来ない。次々と番号そして漢字二文字の行き先が書かれたバスはやってくるのだが、○○駅行きというバスがやってこないのだ。 事前に調べなかった自分が悪いのだが、ここに来る前は自分に妙な自信があった。停留所には路線図がだいたい貼ってあるものだが、古くなっている上に風雨に晒されていたせいか、薄ぼんやりで全く読めなくなっていた。ここで鋭い人はスマホを思い浮かべたであろう。しかしあいにく自宅へ置き忘れてしまった。 停留所付近にいた近所に住んでい

掌編小説「懺悔」

取り返しのつかないことをしてしまった サイレンの大きな音が近づく。家が燃えている。黒い煙とともに何かが天へ昇っていくのが見えた。 私は石橋を叩いて渡るくらい慎重な性格だったはずだ。鍵をかける時は何度もドアノブを回して閉まっているか確認するし、電車に降りる時は忘れ物をしていないか何度も後ろを振り向いた。なぜこんなことになったのだろう。 最近何もかもうまくいっていなかった。仕事では失敗が続き、先日大きなミスも犯してしまった。恋愛もうまくいかず、お酒を飲んで過ごす日がここ最近

掌編小説「乱射」

突然聞き慣れない連続した破裂音が響き渡る。数秒間静寂のあと、悲鳴が上がった。ありえない事件がごった返す年末の繁華街で発生してしまった。 日本史上最悪の銃犯罪事件として歴史に刻まれるであろう。テレビでは専門家が登場し、個人の犯行だ、それはありえないどこかの組織が関与しているはずだ。入手ルートは一体どこからなど、コメンテーターとともに事件の推移を話し合っていた。 警察の発表によると半自動式ライフル銃が使われたそうだ。十数人を殺害した後、最後犯人は銃を自分に向けて死んだらしい。

140字小説「自供」「犯行別人説」

自供 「俺の何を知っているんだ!」 「私の事何も知らない癖に!」 正論だけど、 あなたの全てがわかっていたなら事件は未然に防げてたよ。 犯行別人説 「安倍元総理銃撃事件の陰謀論に乗っかるのはちょっとね。」 『なんで?』 「検証はもちろん必要だよ。」 「でも小説だったら酷いご都合主義。確実に暗殺できる状況なのに、なんで他の人間が暗殺する必要があるの?」 「そもそも警備がいい加減な県警だぜ。そりゃ弾丸も消えるさ。」 #140字SS #140字小説 #ショートショ

うっかりと人見知りの不思議な探偵物語。Ⅰ

Ⅰ.ビヨンド・ザ・タイム 0耳が熱い。 「絶対信じちゃいけないよ。特にテレビに出てる占い師。彼らは要注意人物だね。ホット・リーディングを姑息に使ってさ。そもそもテレビタレントの性格や心理なんて、ファンなら誰でも知っていることだ。マネージャーや家族から情報を聞いてたりもしてるだろうね。」 「そりゃ占われた当人や共演者、客席は驚きの声を上げるよ。だってギャラ貰ってるんだもの。たまに占い師に喧嘩売る芸人とかいるけどさ、テレビのルールわかってないド新人か、よっぽどの偏屈なやつか

うっかりと人見知りの不思議な探偵物語。Ⅱ

Ⅱ.ある日ある時いつかどこかで 0.prologus「占いババって知ってる?」 先生がアニメや漫画の語るたび、読んでみたいとその時は強く思うものの、最後まで重い腰を上げることが出来ず、結局いつも先生をがっかりさせてしまう。 「某有名漫画に出てくる登場人物で、大きな水晶玉に乗って浮遊する凄い魔女なんだよ。」 魔女といえばやはり箒にまたがって空を飛ぶ。この姿が定番だ。大きな水晶に乗って空を飛ぶ・・・!?思い浮かべてみたが、まったくイメージ出来なかった。 「占いババは、当

うっかりと人見知りの不思議な探偵物語。Ⅲ

Ⅲ.MESSAGE 1「警察です!!今すぐ避難してください!!」 ドドドン! ドドドン! けたたましい音が鳴る。 うーん、なんだよ。夜勤明けで寝てんのに。こっちの都合考えてくれないのか。腹が立ったので相手を待たせるようにゆっくりとインターホンへ向かう。 「ん、はい。・・・なんですか?」 「警察です。今すぐ避難してください。市より緊急避難が発令されました。周辺地域で強盗事件が多発しています。直ちに退避を開始してください。」 自然災害や不発弾処理の避難勧告は知ってい

うっかりと人見知りの不思議な探偵物語。Ⅳ

Ⅳ.I am 0「自殺を考えたことはあるかい?」 先生は時々哲学を話すことがある。少し間を置いてから、いいえと私は答えた。 「こんな性格だからね。学生時代はつらかった。机の上に花が飾られても、彼らは気にすることなくいつもと同じ平穏な日常を過ごすんだろうなぁって。」 私も似たような環境だったので静かに頷く。 「あれは梅雨の時期だったかな。学校をサボってレンタル店に寄ってある映画のビデオを借りたんだ。それを観て180度世界がひっくり返ったよ。絶望の淵に立っていたとしても