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釣りに行く息子の自立と不安

毎週末、息子が釣りに行くようになりました。友達と行くこともありますが、一人で行くことの方が多いです。友達は習い事で忙しく、毎回付き合ってもくれないんです。

いま中学1年生の息子は釣りが好き過ぎて、釣りのことばかり考えています。Netflix、Amazon、Huluの釣り番組を片っ端から見て、最近はYoutubeで釣り番組を見ています。中古の釣具を売ってるタックリベリーにも通って、掘り出し物を探しています。中学生に上がる時に、自分でフライを作れるキットを買ってあげたので、オリジナルのフライを作っては、釣り場に持って行き、釣れるかどうか試しています。

そして、親として心配なのは、一人で川や海に行かせることです。川や海は、一歩間違えると死に直結するからです。息子にはしっかりしたライフジャケットを買い与えていて、絶対に着るように言っていますが、ライフジャケットは浮かぶというだけで、100%安全という訳ではありません。

親によっては、一人で釣りに行かせることに反対する人もいるかと思います。反対というよりも心配という気持ちの方が強いんだと思います。私もどちらかと言うと、子供の行動に関しては慎重な方なのですが、いろいろとしっかりと言い聞かせて行かせています。

「危ないから行っちゃダメ」と言って、息子の行動を制限するのは簡単なのですが、子供が成長するにつれて、どこかのタイミングでは不安を抱えながらも、行けるところまで行かせなければならないとも思っています。大げさに言えば「サバイバル力」みたいなものは、体験しないと身につかないものですから。

とは言え、「勝手に自力で行けるところまで行ってこい」ではなく、私と息子で一度行ったことのある場所に限って行かせています。二人で行ったことのある場所でも、明らかに足場が悪いところには行かせていません。

もしかしたら、「中学1年生の子を一人で川や海に行かせるなんてダメ」と思われる方もいるかもしませんが、私はよく思うんです。子供から、「一人で六本木に行ってくる」と言われるよりはまだ良いかなと。自然も怖いですけど、人間の方が怖い事もあります。

自然は個人を狙い撃ちしませんが、人間は個人を狙い撃ちします。中学生なんかが狙われたら、ひとたまりもありませんから。

そしてふと思うこともあるんです。私は中学生どころか、小学生の頃から、一人で釣りに行ってたなと。ちょっと足を滑らせたら3mぐらい下の滝壺に落ちてしまうような場所で、その辺にいるカエルを針に引っ掛けてナマズを釣ったりしていました。もちろん、ライフジャケットなんか着ていません。あるいは、流されたら海まで流されてしまうような大きな川の本流でも釣りをしていました。あの頃、「自分が川に流されて死ぬ」などと思ったことはありませんでした。親はどう思っていたんでしょうね?

そうそう。私は子供が学校に行く時や、遊びに行く時に「気をつけて行くんだよ」と子供たちに言います。たぶん、私も子供の頃に言われていた気がしますが、それは定型文と言いますか、お決まりの言葉と言いますか、「いってらっしゃい」の変形型、ぐらいにしか思っていませんでした。

でもいま私は、子供たちに心の底から心を込めて「気をつけて行くんだよ」と言っています。「本当に気をつけて行って無事に帰ってくるんだよ」という思いで言っています。私は自分が子供の頃に気づかなかっただけで、私の親も、そのぐらいの覚悟を持って言っていたのかも知れません。同様に、いまの私の言葉は、子供たちには「いってらっしゃい」ぐらいにしか伝わって無い可能性も高いです。

釣りに行った息子が無事に家に帰ってくるとホッとします。何匹釣れたとかそんなのはどっちでもいいんです。「今回も無事に帰って来てくれた」と思います。これを繰り返すことで、親離れ、子離れして行くんだろうとも思います。

息子はこの先、高校、大学と進んでいく過程で、「六本木に行ってくる」「山奥に釣りに行ってくる」「夜釣りしてくる」「友達と旅行してくる」「一人で海外旅行に行ってくる」「アマゾン川で釣りしてくる」と、どんどん行動範囲を広げて行くかもれません。

親である私は、その頃には「慣れて」と言いますか、「麻痺して」と言いますか、不安を感じること無く子供を送り出せるんですかね?少なくとも私は、自分の親から「絶対に行っちゃダメ」と言われた記憶はありません。もしかしたら、「絶対に行っちゃダメ」と言われていたけど、「親が言うならダメなんだ」とあっさりと諦めていたのかもしれませんが。

一方で、親が思ってるより、子供はいろんな事をしっかり考えて行動しているとも思います。だから、事前に注意出来る点はしっかり伝えて、覚悟を持って送り出すしかありません。「家から出たら自力で頑張れよ」と思います。

息子は釣りから帰ってくると、釣り場にいたおじさんからエサをもらったとか、缶コーヒーをもらったとか、釣れる場所や時期や魚種を聞いた話をしてくれます。釣り場によって、釣り仲間の馴染みのおじさんがいるそうです。案外、自然との付き合い方だけじゃなく、社会性を身につける経験にもなってるのかもしれません。

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