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現代によみがえれ、日詰平井邸醸造所

こんにちは。
はじめまして、ヒライ ユウキと申します。

私は今、無職です。

どうでもいい話ですみません。一応誤解があるといけないのでアレですが、自分で会社を辞めました。以前は醸造家でした。愛する妻と可愛い息子(4)がおります。

なんとなく申し訳ないので、庭に小さな家庭菜園をつくって野菜を育て始めました。でも思うように採れなくて、家計の足しにはなっていません。このままでは、晩御飯が私の分だけ玄関先に配膳される日も、そう遠くありません…これを回避するために、最近は私が晩御飯のご用意を担当させていただいております。模範的なヒモです。

でも、家族としてのミッションのために、今は許してもらっています。

歴史は途切れたのか

私を含む家族全員、かつて酒造業を営む一家でした。

父、母、私、妻、弟が毎朝同じ職場に出向き、同じ家に帰る生活。度重なる逆境も、喜びも、すべてを共有してきた家族です。15代目である父を支えつつ、自分の情熱は全て酒造りに捧げてきました。家族のために、従業員のためになどということは正直ゼロで、自分が楽しいから。夢中でした。

しかし私は、後継ぎとしての役割を果たすことはできませんでした。

結局、多少お酒は美味しくなったと思いますが経営状況は厳しいままで、6代目が創業した酒造業はM&Aで地元のアミューズメント企業に譲渡することになったのです。2021年3月のことでした。

ちなみに事業譲渡自体は悔しい気持ちはありましたが、私たちとしては極めて前向きな経営判断でした。老朽した設備は一斉に限界を迎え、苦労して向上した酒質、応援していただいているお取引先や一般消費者にさらに美味しい日本酒を届け続けるため。現に、譲渡先の企業はものすごい額の投資をして酒蔵を盛り上げようとしてくれています。

でも、短い伴走期間を経て、私たちは蔵を去ることにしました。
先日最後に残っていた父が退職し、創業家は蔵からいなくなりました。

この辺は、話すのも聴くのも疲れるのでそのうち機会があれば。
こうして平井家と醸造の歴史はあっけなく終わりを迎えました。

自身のルーツと向き合う時間

蔵を離れた家族はそれぞれ就職し働きはじめました。
母は青果店の倉庫、妻は病院、弟は県を飛び出して醸造機械メーカーへ

私は、というと、自分のルーツと向き合う日々を過ごしました。退職したのが2022年1月末、真冬の深み。家業の創業地である日詰平井邸での活動をはじめました。

日詰平井邸は1921年に12代目が創業地に建てたお屋敷で、当時の内閣総理大臣だった原敬首相も訪れた、国指定重要文化財です。小さい頃からお盆には家族親戚でこの家に集まり、長くてひんやりした廊下や、自然がたっぷりな庭、家中に響き渡る甲子園中継の音が大好きでした。

しかし、せっかく国の文化財になったのに全然活用できてないよね、という話が以前から家族内でも持ち上がり、その度に本業(酒造り)が忙しいからと後回しにされていました。今こそまさに無職の出番です。

※実際、屋敷の延床が300坪くらいあり庭の手入れまで含めると日中働きながら管理から活用までは無理です。

掃除は結局家族の力も借りてそこそこキレイになりましたが、さて、いかにして活用していくか。

日詰平井邸を現代によみがえらせること。
これが冒頭申し上げた、私に与えられたミッションです。

家であり、醸造所であった日詰平井邸

日詰平井邸は家族の住宅であると同時に、醸造所でもありました。

盛岡市に本拠を移す以前は当然ながら創業の地である日詰で酒を造っていました。当時は結構いろいろやっていたみたいで、味噌や醤油なども手掛けていたとか。

やっぱ、造るしかないよな、酒を。

この場所をコミュニティスペースや観光施設にするのは簡単です。でも、建てた人はそういう意図で設計していないんですよね。家族が住む家として、醸す場所としてここを建てた。訪れてくれた人にこの家で過ごしてもらって、ヒライたちは酒を造る。これが一番ナチュラル。

歴史をつなぐ手段は、ご先祖さまが遺してくれていました。たくさんの課題と共に。

このnoteは日詰平井邸 醸造所復活に向けた宣言であり、その過程をまとめるものです。ぜひ ♡ で応援いただけますと幸いです。

■日詰平井邸 醸造所復活へのミッション

□ 酒類製造免許を取得せよ
□ 原料を確保せよ
□ 作品と製法を確立せよ
□ パートナー酒販店を集めよ
□ 設備を整備せよ
□ お金を集めなさい

▼日詰平井邸 公式サイト
https://www.hiraroku.com/

▼日詰平井邸 インスタグラム
https://www.instagram.com/hiraitei1921/

▼日詰平井邸 サポーター登録
https://lin.ee/GtmZoQH

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