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170. 今日私は野菜です。

ある日レッスン開始直後に、アメリカ人Bさんが、
「今日、私は野菜です」とつぶやきました。


え???!!今日、私は野菜です???!!!
どういう意味??聞き間違えた?

と、私の頭の中はハテナマークでいっぱいに。

そのまま話を聞くと、全然寝れていなくて、日本語がうまく出てこないし、疲労困憊で全く頭が働いていないというのがわかりました。 

レッスンの後に、「私は野菜です」を英語に置き換えてみると
” I am a vegetable”だな、と思い、being a begetableと辞書をひいてみると、以下のように出てきました。

noun 名詞
a plant, root, seed, or pod that is used as food, especially in dishes that are not sweet.
うん、これは、いわゆる食べ物としての”野菜”ですね。

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/vegetable

次に、

Noun 名詞 (person)
a person who does not do anything or has no interest in doing anything

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/vegetable


翻訳すれば、
何もしない、または何かをすることに興味がない人。
でしょうか。

全くやる気が出なくて、頭が働かず、気力もなく、だらりとしている状態に思えます。
ボロ雑巾状態だった時の私に近いかな。

そして、最後に

an extremely offensive word for a person who is unable to think, move, pr communicate in the usual way because of severe brain damage.

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/vegetable

翻訳すれば、
重度の脳損傷によって、通常の方法で考えたり、動いたり、コミュニケーションを取ったりすることができない人を指すので、非常に侮辱的な言葉である。

(あくまでも私の直訳です)

Bさんは、2番目の意味だろうな、と思います。




私もちょうどボロ雑巾状態だったので、アメリカ人の友人に”I am being a vegetable today” と送ってみたら、どんな反応をするのかな、と思い、何も説明せず、ただ”I am being a vegetable today”と送ってみました。

そうすると、"Aw man, I know that feeling. Are you okay?" とすぐ返信が来ました。

友人になぜこのフレーズを使ったのかを説明した後に、
友人がなぜ” I am a vegetable today" と言った後に、” Are you okay?”と聞いたのか説明してくれました。

友人がこのフレーズを私から聞いた時

  1. I am so tired from moving that I was a vegetable today."

  2. I just didn't do anything today.

この2つのどちらかな、だと思ったけど、おそらく2かな??と想像したから、大丈夫?と送ったのだと。

加えて、日本語を学ぶにつれて、いかにすべての言語で”context"が大事だということに気付かされると言っていました。

ちなみに、友人はちょうど引っ越しの途中だったので、これが終わったら" being a vegetable"になると思うと言っていました。

私だったら、日本語でなんというかな。
私だったら、ボロ雑巾とか、顔をちぎったアンパンマンとか、疲労困憊でしょうか。他にもあるはず。

他のアメリカ人にも聞いてみたけど、彼らの普段の使用語彙にはこのフレーズはないとのこと。

でも、Bさんにとってはこのフレーズは割と使用語彙に入ってるんだろうな、と解釈しています。

ちなみに、3番目の意味だと、日本語では「植物状態」にあたるのかなと時間が経って頭の中に浮かびました。

私の母は意識はあるけど、自分で身体を動かすことも、声を出すこともできなくて、問いかけに目を動かしたり手足を動かすことで、意思疎通をとっていましたが、最後はそれすらできず、目を開けることしかできませんでした。母方の祖父は、母の病気を知った後は母は最後には手足を動かせなくなるので「ダルマ」状態になってしまうと言った時に、ものすごくその「ダルマ」状態になるという言葉に強い抵抗を感じました。
(調べてみると、読むのが辛くなるようなことも書いてありました。)

その時に私が感じた気持ちのように、このbeing a vegetableを他の人に対して使うときは、注意が必要なんだな、というのも学んだのでした。

ちなみに、最近, Bさんはその言葉を使わなくなってきたし、調子がよさそうでホッとしています。






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