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【じーじは見た!】後編:COP27、日本では盛り上がらず⁉

心はZ世代! 身体は還暦過ぎた昭和人! Z世代応援団のじーじです⁉

気候変動枠組み条約締約国の第27回会合がエジプトのシャルム・エル・シェイクで開催されました。

当初予定の11月6日~18日の会期を延長して11月20日に閉幕しました。

後編では、COP27を終えて環境省から11月22日発表された「国連気候変動枠組条約第 27 回締約国会議(COP27)結果概要」からどんなことが決まったのかを見ていきましょう。

本編は後編です。前編から読んでいただくと話が繋がります。

1️⃣COP27の大きな成果は気候資金⁉

気候資金は、長期気候資金、2025 年以降の新規気候資金合同数値目標、資 金に関する常設委員会に関する事項、資金メカニズムに関する事項、ロス&ダ メージの資金面での措置に関する事項等の幅広い議題について交渉が行われ た。

なかでも、途上国側の強い要求を受けて新規議題となったロス&ダメージの 資金面での措置に関する議題では、先進国と途上国との間で意見の隔たりが大きく、閣僚級での議論に持ち込まれた結果、特に脆弱な国へのロス&ダメージ支援に対する新たな資金面での措置を講じること及びその一環としてロス& ダメージ基金(仮称)を設置することを決定するとともに、この資金面での措置(基金を含む)の運用化に関して COP28 に向けて勧告を作成するため、移行委員会を設置することとなった。

長期気候資金に関しては、多くの途上国から、先進国による年間 1000 億ド ル資金目標の未達成に対して進捗の報告を求める声が強く、隔年で進捗報告書を作成することとなった。

また、昨年のグラスゴー気候合意で決定された先進国全体での 2025 年までの適応資金の倍増についても、途上国の要求により報告書を作成することとなった。

また、EUをはじめ一部の先進国からは、資金の流れを気候変動の取組に整 合させることを目的としたパリ協定2条1(c)に関して議論の場を設けるべく 新規議題の追加提案を行ったが、途上国の反対により議題は採択されなかった。

他方、上述のとおり CMA全体決定において、パリ協定2条1(c)に関する理解 を促進するためのシャルム・エル・シェイク対話を開始することが決定された。

「国連気候変動枠組条約第 27 回締約国会議(COP27)結果概要」より引用

ロス&ダメージ基金の設置が決定したのは途上国にとっては大きな意味をもつことだったでしょう。

ただ、具体的には移行委員会で素案を作ってCOP28で話ましょうということであり、ある意味、先送りされたとも言えます。

2️⃣ロス&ダメージが話題になりました⁉

キリバス、フィジー、サモア、ナウル、ツバル、バヌアツ、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島、トンガ、パラオ等の太平洋に位置する島しょ国にとって、地球温暖化による海面上昇は国土消滅の危機です。

これらの国にとっては「適応」(気候変動に伴う自然災害への備え)に資金が必要になります。

これらの国々の切実な訴えが、先に述べたロス&ダメージ基金(仮称)創設の取り決めに繋がりました。

しかし、今回は基金を創設することだけが決まったことであり、未だに途上国に分類されている「中国」がどれだけ拠出するのかは未知数です。

EUはまだしも、米国は?そして日本は? 総論賛成、各論ではもめるのです。

3️⃣緩和策(CO2排出削減)は前進せず⁉

190を超える国や地域が集まっていますので厳しい対策が全会一致で決まるなんてことは期待できません。

今回、緩和策に関する進展はありませんでした。環境省の報告文書には次のように記されていました。

2030 年までの緩和の野心と実施を緊急に高めるための「緩和作業計画」が 策定された。同計画には、1.5℃目標達成の重要性、計画期間を 2026 年までと して毎年議題として取り上げて進捗を確認すること(2026 年に期間延長の要 否を検討)、全てのセクターや分野横断的事項(パリ協定6条(市場メカニズ ム)の活用含む)等について対象とすること、最低年2回のワークショップの 開催と報告という一連のサイクル、非政府主体の関与、緩和作業計画の成果を 閣僚級ラウンドテーブルで毎年議論すること等が盛り込まれた。我が国からは 全てのセクターを対象とすることや分野横断的事項の必要性を指摘し、これら が反映された。

「国連気候変動枠組条約第 27 回締約国会議(COP27)結果概要」より引用

上記の内容も緩和の「先送り」と言えないことはありません。

前編で確認したとおり、CO2排出量は一刻も早くピークアウトして、減少に転じなければなりませんが、このまま先送りを繰り返していたのでは、2030年まで増加が続くことになりかねません。

そのため、国連での話合いを待っていられないと、機関投資家を中心にCO2排出を削減する企業に投資するESG投資が加速しています。

国連での取り決めができないのなら、企業が国に代わって脱炭素を事業の中に組み入れていくことを目指し、世界の優良企業を中心に資金を脱炭素に振り向けていこうとする流れが加速しています。

例えば、GAFAMの一角Amazonは、2025年までに活動の100%を再生可能エネルギーでまかない、2040年までにネット・ゼロ・エミッションを達成すると宣言しています。

当然のことながらGAFAMのサプライヤーは同様の目標設定を迫られますのでサプライチェーンを通じて脱炭素が進んでいきます。

企業が引っ張る形で国連での話合いが前向きに進んでくれることを祈りたいと思います。

次は産油国のアラブ首長国連邦(UAE)が2023年に開催されるCOP28の開催国に決まっています。気温上昇を1.5℃に抑えるための残カーボン予算は残り僅かです。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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