見出し画像

#02 ダウナー系ヒッピーの「ねえ聞いてよ」 死んだ街で、自分と他者の境界を考える。

私たち、ヒッピーとアッパーの交換日記どころではなく、日々の嵐のようなメッセージの往来を通して、これ、ブログでやったら、記録できるんじゃね?と始めたこの note。
今回は私ヒッピーの番である。(といっても、下記、マジトーンすぎてヒッピー要素ゼロの記事となっている・・・)

私は、程なく前から、日本ではない国に住んでいる。霧も出ておらず、雪も降っていないのになぜか太陽光が遮断されるこの国の私の街は、冬、ひたすらにグレーだ。カラースケールが、モノクロ一本になる。
このコロナのご時勢もあり、不必要な外出が厳しく規制された今、街にクリスマス、そして正月らしさは一切なく、通りを歩く人も少ない。まさに死んだ街、という感じである。

こんな時だからこそ、自然と人々は親しい関係どうしでお互いを温かめあうのだろうが、そんな私はというと、このタイミングで一緒に住んでいた人、つまり元恋人との別居を決め、ゆるやかに行動に起こした。

パーティーでわいわいする気分にもなれず(無論それも規制されてるし)クリスマスにゆるっと友人に会った以外は、多くの時間を一人で過ごすようになった。ここ過去数年、ずっと家族の誰かといた私にとって、この一人の時間は脆くも、宝石のような時間だなあと、しみじみ感じている。誰かといて無理して自分を突っ張らして時間を過ごすよりも、自分一人で、本当に自分のやりたいことをやる時間がどんなに大切だったか、とも。

ここ数日、よく考えているのは自分と他者の境界だ。心理学用語では、『自他境界』ともいう。(以下画像、adhd-coach.org/adhd より参照。)

スクリーンショット 2020-12-27 17.14.15

別居を経てじっくり思ったのは、私は、間違いなく、家族間の関係や状況がある程度インテンスになってしまった時点から、彼との関係性において自分と他者の境界がゆらいでいたなあ、ということだ。(相手も、だと思っている。)

スクリーンショット 2020-12-27 17.14.21


相手ならきっとわかってくれるはず、相手ならこういう状況下でこうしてくれるはず、彼、彼女とならお互いに分かり合えるはず。
そう期待して人は一緒になるけれど、実は同じ環境下、視点で育った人間など世界中に誰一人おらず、実際にその期待が100% ミーツすることなんてない。上記のような期待というのは、本来ならばくっきり区切りがついているはずの他者を、自分の価値観や、自分の意見の枠組みに引き摺り込むことでも、ある。

おそらく、私は「理解しあう」という時、時に「お互いの意見に同意する、同調する」という意味も内包して考えていたのかもしれない。でも、本来は「理解しあう」ということは、同意ができなくても「違う意見である、ということを受け入れ、理解しあう」ということなのだと思う。そうすれば、両者間の境界線は溶けない。揺らがない。

こんな簡単なことでも、夫婦や恋人、親友、親しい関係だと難しくなる。
でも、このことを理解してから、誰かと何らかの軋轢が生まれそうになると、頭の中で、「この人は他者であり、意見がちがってあたりまえ。」と唱えるようになった。これを自然とできる人は世の中いっぱいいるのだろうが、割と自分、というものをこじらせて育ってきた私には、おそらく必要な呪文なのである。

怖いことに、この他者への期待、というのは、相互理解への期待とかの他に、過度な憧れとか、も含むらしい。私はいつも恋すると、初期段階においてその人のことを一体どこのバスキア貴族ですか????といった具合に脳内変換の中でアゲまくる癖があるのだが、これもまた、他者の像を自分の枠組みのなかに当てはめようとしているのだと思う。

他者を自分の枠に当てはめようとすると、その枠から少しでも外れた場合、(無論、外れる)勝手に感じる失望が大きくなる。だからまじで、どんなに親密な関係においても、自分は自分で、他者は他者なのである。で、ゆらぐ根底には自分が他者から自分というものを尊重されて育てられたか、ということが関係してくるが、これまたアダルトチルドレン的な問題でちょー長くなると思うので割愛する。

というわけで2020年 年の瀬、30代も近くなったところでこんな人間界における超絶基本事項を映画やら本を嗜みながらブツブツ呟いているのだが、そういや過酷な受験戦争を高校、浪人時代と2年間体験したとき、河●塾のカリスマ現代文の先生が
『「自分」と、「他者」という両者比較が問題文出てきたら要注意!!!それにまつわる回答が絶対正解ですッ!!!』
と常日頃叫んでおり、私も現代文の試験を受ける度に毎回ブツブツそれを呟いていたのをふと思い出した。

10年前に人生の真理教えられてたわ。

​(人生の真理とか超えて、人知の真理を知りたい人におすすめ。最高。自分の悩みどうでもよくなる。)




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?