ちょうど桜も満開になったから

ずいぶんごぶさたしております
あれから元気にしてはりますか
相変わらず暴れまわってはりますか
風の噂でちょっとは聞いてますけど
あなたらしいままやと安心してます
やけどお互いもういい歳になったから
何事もほどほどがええかもしれません

わたしはあなたがかまってくれはるのに甘えすぎて
たぶん調子に乗ってたくさん迷惑かけたと思います
面倒な奴やなと思わはったこともあったでしょう
“追っかけ”と思われても仕方ないようなことも
あったようななかったようなで申し訳ないことで

それでも何年もたってからつながった縁に
あなたと直接会えたわけではなかったけど
ほんま不思議なもんやなあと思ったんです
やから結局は直にあなたと会えてなくても
あなたとわたしはほんのちょっとの話でも
変なとこでつながる縁やなあと思うんです

「ごめんね」「ありがとう」くらいの言葉しか
あの頃のわたしは持ってへんかったみたいで
たくさん迷惑かけてごめんね
でもおってくれてありがとう
ごめんねありがとはいつもセットやったよね

あれからずいぶん時がたってたぶんわたしも
ちょっとばかりは大人のようなものになって
「ごめんね」よりも「ありがとう」をあえて
意識して使うようになったりもしてるんです

だけどあなたに会ったとしたら
言葉なんか出てこおへんと思う
どんな言葉にしてもこの歳月に
似合わないと思ってしまうから

だから今のうちに言うとくけど

もしかしたらまたご縁があるかもしれません
これまでもそうやったから無いとは言えへん
そんな気がちょっとしてまうけどそのときは

幼かったわたしを傷つけないように
そっと離れていってくれたのかとか
思えるくらいには大人になったから
怖がらんと嫌がらんとおってほしい
それといろいろ許しといてほしいな
迷惑かけたこと驚かせたこととかも
ちょっと大目に見てやってください

こんなん呟いてまうのはきっと
ちょうど桜も満開になる頃やし

ちょうど桜も満開になったから
ちょっと大目に見てやってください