残りすぎる夏

残暑見舞いはいつからだったろうかと
確かめてみるともうとうに暦の上では
立秋を通り過ぎ秋に入っているらしい
暑さ寒さも彼岸までという迷信じみた
口伝えのような文句ををふと思い出す
しばらく続いた曇り空と雨に騙されて
実際のところまだ危険度は高めなのに

今年の夏は酷暑らしいと事前に聞いていたものの
まさか6月からいきなり紫外線に負けて肌は荒れ
7月は夜間熱中症になり熱中症アラートに過敏に
ようやく夏の終わりまでたどり着いたかと思えば
感覚が狂っただけで毎日気温30度は超えている

水分補給に気を使い経口補水液も用意したし
炎天下には外を出歩かないように注意したし
曇り空でも紫外線カットを謳った日傘を持ち
顔が火照るので毎晩パックを欠かさずにして
鉄と亜鉛が不足すると聞いてレバーを食べた
それは胃もたれがしただけで終わったけれど

夏が過ぎ秋になった定義づけ
それすらも崩壊しかけだけど
まだ秋の気配は感じない空気
外せないマスクを少し浮かせ
一体今をなんと呼ぶんだろう
狂ったままの感覚を抱えつつ