桜一枝

ここではないことはずいぶん前から
理解していたのにいまだに動けずに
とどまってしまっている自分を呪う
自分を傷付けるだけでいつか本当に
取り返しのつかないことになるかも
危うさの中どうにか乗り切る日々に
すぐ壊れてもおかしくないほどには
支障をきたして弱り疲れ果てている

どれほど突き刺さる空気があっても
どれほどひりついた温度があっても
決して生きるのを諦めてはいけない
かならず生き延びなければならない

刺すように突き付けられた剣は
いつしか桜花の一枝に変わって
その元をたどれば差し伸べる手
やわらかに微笑むあなたがいる

きっといつかそうなるのと
自分を慰めて眠りにつくの
それが夢でもそれが嘘でも
生き延びる糧になるのなら

迷わずにその手を握れるように
今から覚悟を決めておけるよう
そんなことを想像しているだけ
自分で自分を抱きしめてじっと
桜一枝を差し伸べる手を待って