レモンの日

爆発的に流行ったと思うあの歌
自分自身に重ね合わせるように
繰り返し聞いていた時があった
わたしにとってのストーリーは
もしかしたらあなたにとっても
同じかもしれないと思ったのは
ずいぶんとあとになってからで
だけど確かめる術などないから
そうだとも言い切れないわけで

ねえ信じられる?
10月5日はレモンの日なんだって

「レモン哀歌」*にちなんで
レモンの日なんだって
死にゆく妻を詩にして
芸術を突き進んだ彼は
妻との日々を想ったか
誰も分からないけれど

「レモン哀歌」の日だけど
死とは真逆の生の日で
生まれる命を前にして
父になりゆくあなたは
何を思っていたのかと
今も分からないけれど

ねぇ信じられる?
10月5日はレモンの日なんだって
わたしにとっては哀歌でも
あなたにとっては賛歌の日
きっとそうなんでしょう?
なのにまだ半信半疑のまま
思うわ 「今でもあなたは」**

*「レモン哀歌」 高村光太郎
**「Lemon」米津玄師 より