実家から自宅まで車を走らせながら

宇多田ヒカルの最新アルバムを再生する。曲が夜のドライブになじむ。
お盆休み中の夜は普段より交通量が多い。
普通お盆休みって16日までなのかな?昔勤めてた会社は15日までだったんだけど。

宇多田ヒカルの曲を聴くといつも傷痕を触られているような気分になる。
私はいろいろなものを失って、失うことを得た。

証明されてない物でも信じてみようと思ったのは
知らない街の小さな夜が終わる頃
(宇多田ヒカル「残り香」より)

いずれ信じた気持ちは裏切られるんだろうな、と思う。
高速道路に入った。

高速道路もいつものこの時間帯にしては車が多い。速度が落ちる。
しばらく前の車についてゆるゆると走ると、急に道が空き始めた。
車は快調に走る。
長いトンネルの中で気が付けば、前にも後ろにも車が見えなくなった。
すると自分のペースがこれでいいのかよくわからなくなる。
さっきまでその速度で走っていたのだからそのまま走ればいいものを。
人に合わせるのに慣れてしまって、自分の本当のペースがよくわからない。やがてトンネルを抜け、別の道で他の車と合流すると安心する。

ものすごい勢いで追いついてきた軽自動車を先に行かせて、ひたすら家に向かって走る。
アルバムは2周目に入った。

なんとなく硫黄のような臭いがして、犬に「おならした?」と聞く。もちろん犬なので返事はしない。臭い。

高速を降りて、あと少し走ればもうすぐ自宅。
12時までにnoteの投稿、間に合うかな。

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