紅茶のある風景ーー初冬の学校で
校舎から出た途端に震えがきた。スカートから伸びた素足に北風が容赦なく吹きつけてくる。食堂につながる外廊下には赤や黄色の落ち葉が散りばめられていた。
小走りで食堂の前にある自動販売機に向かい、硬貨を入れて迷うことなくボタンを押した。無遠慮な音を立てて出てきたペットボトルを取り出す。オレンジキャップのボトルは冷えた手にとても熱く感じられた。ブレザーのポケットからハンカチを取り出しボトルに巻くが、完全に温かさを打ち消してしまうのが惜しい。ハンカチを広げて包みなおし、それを両手で包み