04. 言葉選び、気持ち探し
minaというすきな雑誌のコラムから。
いったい思い出を大切にしたいのか肥大化させたいのか、はたまた記憶を上書きしてもっと華美なものにしたいのか、自分自身でも分からなくなってしまうような、そんなものなのだ
前田エマさんの文章。雑誌の中で一番すきなのはコラムだ。その時にしか綴れない美しく繊細な言葉は雑誌の中の静かなオープニング、ファンファーレ。読み飛ばす人も多いけどね。
ここまでが今回のきっかけの話。
どうしてこんなに言葉がすきなのかなと思った。いつからこんなに言葉を並べるのに悩むようになったのかと思った。
多分、わたしは言葉にしてはじめて、今の気持ちが形になるのかなと思った。自分の気持ちがこういうことかって気づけることに面白さを感じてるのだろうと。
そんな自分、不器用だなぁって思ったり。
例えば、友達とその彼氏とのことをLINEしてる中で。
すれ違い
(Delate)
ボタンのかけ違い
(Delate)
歪み
(Delate)
ひずみ
(Enter)
パッと浮かんだ言葉を打っては消して、その中でこれだってなる。わたしが伝えたいのはこれだってなった時ささやかな嬉しさがある。
他にも
かなしい、さみしい、切ない、つらい、くるしい、しんどい…
うれしい、しあわせ、たのしみ、まちどおしい、期待、どきどき…
一瞬トクンッて高鳴るようなジャストの言葉がないかなってDelate、Delate、Delat…
かっこつけてるんではなく、一番ピンとくる言葉を選ぶ。その時、気分がいいのか、強気か、弱ってるか、疲れてるかでも変わる。見返すと、自分のことがわかる。言葉が教えてくれる。
だから言葉がすき。わたしも分からないわたしのことを、ちょっぴり見せてくれる。
言葉を交わすことは、その言葉以上に相手と自分を知れる。だからどんなに離れてても、言葉を交わすことを怠っちゃダメだぞ。そう思う。
耳を澄まして聴くように、目を凝らして見るように、心を研がらせ感じとる。
同じものでも、よく聞こえる音が違うように、よく見えるものが違うように、よく響く言葉は違う。
でも、目に見えずに消えてく音よりも、不変ではない景色よりも、いつもそこにある言葉は届くから。
だから言葉を交わすのは難しい。だから言葉が面白いんだと思う。
まだ形にもなっていなかった滲んだ言葉が、これを書いてやっと形になった。
この感覚が好きだ。
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