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お茶代

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僕が文学サークル「お茶代」の課題として作成した記事および、「お茶代」に関する批評のまとめです。
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#福田恆存

リアリティ、この劇的なるもの

リアリティ、この劇的なるもの

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 脱輪氏の『わたしたちはなぜフィクションと仲良くなれるのか』という文章を読んだ。我々が普段から触れている芸術作品、その中でも映画に感じられるリアリティの正体をめぐる考察である。

 氏は人間の認識能力を通して捉えられる「現実の表象」と、作品として意識的に生み出される「虚構の表象」を区別する。人々は前者を自明視し、当然の前提として日々経験し生きているけれど、その認識

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