乙女座満月の詩 (2023.7.3)
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声に出すたび
あまりの儚さにおののいて
消えてしまわないように
隠してきたけれど
うずうずしてしまって仕方がない
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秘密をバラすというのは
とっても気持ちがいいもの
それはまるで心に春の風が
舞い込んできたかのような清々しさ
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わたし本当は愚か者なんです
気がつけばこんなに遠くまで来ていて
知らぬ間に老人の髭をたくわえて
未熟さを否定して
熟練されたものこそが
正しさを語れると信じた
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重いマントで隠してきた
わたしの喜びと未熟さを
もう我慢しない
最初からなにもかもできてしまうなんて
とてもつまらない
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せっかく、わたしがわたしとして
生まれてこれたのだもの
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現実に傷つき、悩み、
手探りで進み、迷子になって
うろたえることのできる
喜びをわたしは受け入れる
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サナギがわれて
カラダを世界へ
差し出すように
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はみだしていく
わたしここから
はみだしていく
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