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時計の読めない世界の住人たち

夕方5時半すぎ。いつものように保育園のお迎えに出発する。妻と二人で。三つ子は大人一人で保育園から連れて帰ることができない。いや、みんなある程度歩けるようになっているので、正確に言うと無理をすれば連れて帰ることはできる。しかし、予期せぬ事態の発生、危険ポイントも多いのでリスクを低くするため一人では連れて帰らないことにしている。てんでバラバラに走り出すこともあるし、抱っこをせがんでくることもある。一人で対応できないことのほうが多い。なので迎えは、いつも妻と二人だ。時間は夕方5時半から6時。


三つ子たちにはハッとさせられることが多い。感性で生きているのだなと思う。

三人のうち二人はお話がとてもうまいタイプ。もう一人は表情豊かなタイプだ。はなしのうまい二人は年齢相応とは言い難い表現もする。「謎が解けたぞ。」「扉が開閉する。」みたいな。
”謎”も“解ける”も“扉”も“開閉”も3歳児には難しくないだろうか。Youtubeを見せ過ぎなのかもしれない。

お母さんの夕飯の支度。何かで失敗。
すると、「お母さんのせいじゃないよ気のせいだよ。」とすかさず絶妙なフォロー。

雨の日。風が吹く中、風に向かって傘をさしながら一言。
「風と戦っているんだよ。」なんて詩的な表現。

海や田んぼに遊びにいって。
足を海や田んぼににつけたとき。ニンマリ。
自然の中での豊かな表情。

HARIBOのグミを見て。くまちゃんグミ、見てるだけでよだれがてちゃうんだよね。
正直で素直な感想。

色々な言葉や表情。子育ての醍醐味かもしれない。三人分も楽しめる。


そんな中、5月末、気候もよいこの季節。ハッとさせられる言葉にであった。「早く迎えに来てくれてありがとう!!」

こちらは、一瞬??いつもと同じ5時半に出発して妻と迎えに来ていたのだ。早くないんだけどなぁ。


三つ子は、まだ時計が読めない。そうか、迎えに来る時間は、暗くなってからだと思っているのだ。それが明るい時間帯に迎えに来てくれたからありがとうなのか!!

5時半から6時の間に迎えに行くことにしているけど、確かに冬場は、6時近いことが多く、周りは暗かった。それが5月のとある時、ふと少し早めに迎えに出られたタイミングだったんだろう。きっと周りが明るくて、早く迎えに来てくれたと思って、とっさにありがとうと言ってくれたに違いない。なんて素直で優しい時計の読めない世界の住人との出会い。


三つ子は体力がついてきた。保育園でお昼寝すると夜なかなか寝ない。小学生のお姉ちゃんの方が先に寝てしまうくらいだ。三つ子は、ふとんに入ってもゴロゴロしてなかなか寝ない。何時だと思ってるの??もう寝る時間だよ。早く寝なさい!!なんど怒ったことか。今更ながら、この怒り方が無意味なことに気づく。彼らは時計の読めない世界の住人なのだから。時間じゃない。眠くなったら寝るのだ。

日々時間に追われてしまっているけれど。

時計の読めない世界の住人たちとの生活。

もう少し楽しみたい。


時計の読めない世界の住人と暮らせる権利という記事に影響を受けて書いてみました。


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