家のカギをかけ忘れるとクツに名前を書きたくなる
四児の父です。保育園に通う三つ子と小学生のお姉ちゃんの育児奮闘中です。三つ子の一人は、中度知的障害児。その子は、まだ喋れません。自分の名前を言うこともできません。
先日、失敗しました。保育園から自分とヘルパーさんとで、三つ子を連れて帰ってきたときのことです。忘れ物をしたと三つ子の一人がいうので、玄関のカギをかけずにその三つ子の一人を連れて、保育園に自転車で戻ってしまったのです。保育園までは、自転車なら5分もかからないし、家には、料理中のヘルパーさんもいるしと油断していました。カギをかけず三つ子を二人残して(そのうち一人は知的障害児)に家を離れる。完全なる油断でした。
保育園から忘れ物を持って戻ったら知的障害のある三つ子の一人が玄関の外に出てしまい、姿が見えなくなってしまいました。
迷子です。
焦りました。
車に轢かれていないか?と思い大通りへ。姿は見えません。保育園に行く道へ行ってみます。姿が見えません。焦ります…あっちか?こっちか?と自転車で探し回りました。
10分後くらいでしょうか。
保育園へ行くには、もう一つの小道があるのですが、その小道の出口あたりで保育園のパートの方と一緒にいて泣いているところを発見しました。たまたま保育園のパートの方が通りかかってくれて一緒にいてくれました。
少し薄暗くなる時間帯。どれだけ心細かったろうか。反省しました。中度知的障害でまだ言葉が話せない。名前も言えない。たまたま通っている保育園の方で、その子を知っている人が通りかかったからよかったけど。誰も知らない場所で迷子になったら大変だ。果てしなく反省しました。なぜカギを締めて出かけなかったのか。かなり凹みました。なんてバカなことをしたのだと。
さて、日が変わって、とある日。外に出ようと玄関で三つ子に靴下履かせたり、靴はかせたりしていたときのこと。三つ子の一人、知的障害児がガチャっとドアを開けました。
ん??あれ?
上の方のカギもあけられるの???(我が家の玄関のドアは、下の方と上の方の2箇所にカギがある。) 自分でカギをあけて、外に出られるようになったんだ。あぁ、大きくなったなぁ。。。
程なく、先日の反省は全く意味をなしていなかったことに気がつきました。成長したなぁと嬉しく思うと同時に、ぞっとしました。三つ子はもう玄関の上のカギに手が届く。こりゃ、勝手に外に出られて迷子になったら手に負えない。障害児を育てているご家庭は、どうやって対処しているのだろうか。あぁ、ますます目が離せない、障害児育児。
こんなとき、いつもいつもマイナス思考。どうしたらいいんだろう。大変だ大変だ。
世の中、意外と上手く回っているのか、そんな悩みを抱えているタイミングで、いつものように在宅で仕事をしていたら、ピンポンとチャイムがなった。近くの交番のお巡りさんだった。踊る大捜査線の青島警部の同僚か!?とか教場で風間公親(キムタク)に育てられたのか!?とか要らぬ想像をふくらませ、ちょっとドキドキしながら、お巡りさんとお話。
巡回連絡カードというものの記載をお願いしてまわっているとのこと。記入して、近くの交番に提出してもらえると助かりますと言われた。災害など非常の際の連絡に役立てるものだそう。アナログな紙のカードだ。恥ずかしながら警察の方がそのような活動をされていることを初めて知った。記入用紙をみると、郵送は、受付けていないと注意書きがあった。なるほど。個人情報を、記載するものなので念の為、ネットも検索した。警視庁のページにも巡回連絡カード記載の協力という内容が出ていた。
お巡りさんが訪ねて来てくださったタイミングで、とっさに、もし迷子になったときのためにカードに三つ子の一人が中度知的障害であることを書いておいたらどうだろうか!と考えた。訪問して下さった警察官に、障害のこと書いても良いですか?と尋ねると、ぜひ書いておいてくださいとのことでした。後日、しっかりと障がいのことも、記入して交番に提出しました。言葉がまだしゃべれないのですとお伝えしたら、お巡りさんが迷子を対応するときのことを話してくれた。
我々がよく見るのは、クツです。クツにお名前があることが多いので。と。なるほど。いいことを聞いたぞ。クツに名前を書いておこう。迷子となった際に役立つかもしれない。
三つ子とお姉ちゃんの四人の育児。あまりの大変さで持ち物に名前を書いてないこともあるのだけれど、取り急ぎクツに名前だけは、必ず書くようにしようと思った。
どうやら家のカギをかけ忘れると、クツに名前を書きたくなるようだ。
現場からは以上です。