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【読書備忘録】メモの魔力(前田裕二)

なかなかに売れている『メモの魔力』。
当初は自己分析1000問ができるわけなかろうが、と勝手に思って買わずにいたのですが、おすすめされている方も多かったので読んでみました。

結論、食わず嫌いはいけないですね。期待以上にいい本でした。

仕事で、学生の自己分析をさせていく必要のあることもありますが、それ以外の部分でもノウハウだけでなくその背景の部分の記述が素晴らしいですね。

もっと尖ったタイプの本だと思っていたら、語りも優しめだし。

早速またいきましょう。

≪残ったフレーズたち≫
(ちなみに、方法論部分は本書を見ていただくことにして、その他中心に取り上げております)

自分のことがわかっていると、明確な価値観や死生観に沿って、正しい方向に向かってオールを漕いでいくことができます。

メモをとると、あらゆる日常の出来事を片っ端からアイデアに転換できます。

現代において、僕が「本当に強い」と思う人は、「想いの強い人」です。

僕は、メモや、メモを通じた言語化が夢の実現につながるということが科学的に証明される日も遠くないと本気で思っています。

なぜここまで狂ったようにメモをとるのか。それにはいくつか理由がありますが、まず何よりも大切な理由が、この残酷までに時間が限られている人生という旅の中で、「より本質的なことに少しでも多くの時間を割くため」です。

メモやノートは、記憶をさせる「第2の脳」です。いわば「外付けハードディスク」として、あとで検索できるように書いているのです。

人間にしかできないことは、独自の発想やセンス、視点で、アイデアを創出することです。

きちんとメモをとる習慣を身につけると、自分にとって有用な情報をキャッチするための「アンテナの本数」が増えます。

最初は、「どれくらいメモするか」「どのようにメモするか」というHOW論よりも、「すべてメモしてやる!」というモードでとり切ることのほうが大切です。

感情には返報性、すなわち「跳ね返り」がありますから、メモをとることによってこちらから特別な敬意を示せば、相手も自分に対して、特別な敬意を抱いてくれるようになる。

メモをとることで、その場で展開されている議論を綺麗に構造化できるようになります。

ここで、最初に強調しておきたい大切な価値観があります。それは、「メモは姿勢である」、ということです。

メモの本質は「振り返り」にあります。

どうか、この「抽象化」というその名称の難しそうな雰囲気を、恐れないでください。人間は、この「抽象化」によって、より効率的に生きたり、多くの発明を生み出したりなど、文明を進化させてきています。「抽象化」は、発明の母なのです。

まず、一番重要なのは、抽象化する際の「問い」です。

ビジネスに携わる方は、少なくとも次の4項目に対しては、「Why?」を向けてみてください。
①世の中でヒットしているもの。
②自分の琴線に触れるもの。
③顧客からの要望。
④社内で起きている問題や課題。

SHOWROOMで人気になる演者は、必ずしも完璧で非の打ち所のないアーティストというわけではなくて、まだ歌もこれからだし、演奏も始めたばかり、という方が多い。そういった余白を、オーディエンス側がつい埋めたくなって、気づけば発信側と受信側の境目が不明確になって、結束力の強いファンコミュニティが育っていくのです。

僕は、人より本を速く読むことができます。それは、「本の具体ではなく、抽象を読んでいるから」です。

「世の中でうまくいっているもの」や、「自分が素直にいいと感じるもの」を見たときに、素通りせずに、キャッチして抽象化してみてください。

言語化に長けると、自分の周りに仲間が自然と増えやすくなります。

そんなに時間もないし、まずは何から手をつければよいかわからない、という方にお勧めしたい方法は、まず自分の「言語化されていない深層意識」に目を向けてみることです。

自己完結のメモだと続かない人は、メモ代わりに、TwitterなどSNSを使ってみてください。

せっかく言語化するのなら、なるべく、インパクトのある言葉を生み出したいと思うはずです。この引き出しを増やすにはどうすればいいのでしょうか。それには、単純に「自分の感性に引っかかる言葉」を一つでも多く書き留めておくことをお勧めします。

面白い表現を見つけたら、自分の心がどう揺れ動くのかを観察してみましょう。

自分とは何か? 自分が本当に望んでいるものは何か? それを明らかにするときにもメモは本当に役立ちます。

お金を持っている人から順に豊か、という時代もあったかもしれないけれど、これからの時代は『アジェンダ』を持っている人が豊かになる。つまり、自分がやりたいことや、美意識が明確な順に豊か。

今さら「自己分析」をすることはつらいかもしれません。できれば目を背けたい、自分の嫌な部分が見えてくるかもしれません。
ただ「やらなければならないこと」が次第になくなっていくこの世界において、「自分が何者か」「何をやりたいのか」を見つけることは重要です。

これからの社会において、どんな「個」が価値を持つのか。
僕は、何かに熱狂している「オタク」であることが、価値創出の根源になると考えます。

ここまで徹底的に自己分析をすると、次第に自分が持っている「人生の軸」が明確になります。「自分はこういうときに幸せを感じやすいから、こんなゴールを持ったらすごく楽しくなりそうだ」などと目指すべき方向性を自ら設定できるようになるのです。

もし万が一、この後お伝えしていくやり方でも見つからないときも、大丈夫です。そのときは、今やっていること、目の前の今やるべきことから少し距離を置いて、客観的に俯瞰で自分を見つめる時間を持ちましょう。

人は何らかの対象に「好き」という気持ちを向けたり、「こんな風になりたい」という気持ちを抱くのは、原則として、経験が多大に影響しています。

大切なことは、そういった「形式」よりも、自己分析に対する気持ちの強さ、エネルギーの量です。

ここまでお伝えしてきた、効果的な自己分析のフォーマットを一言でまとめるのであれば、「意識の具体化×抽象化」ということになります。
①自分の意識に目を向ける(具体化)
②Why?で深堀りする(抽象化)

「毎回ちょっと角度が違ったり、粒度が違ったりするけど、大体そこに行き着くな」という人生の方向性を指し示すようなコンパスを見つけたなら、それ自体が、自分を見つけた、ということです。

突然ですが、「なぜ流れ星を見た瞬間に願いを唱えると夢がかなうのか?」、考えてみたことがありますか? 願いがお星様に届くからでしょうか。おそらく、違います。僕が思うには、「流れ星を見た一瞬ですら、瞬間的に言葉が出るくらいの強烈な夢への想いを持っているから」です。

では、こうした「ずっと願っている状態」を擬似的に作るにはどうすればいいのでしょうか。それはやはり、夢のことを考えるきっかけを増やすことです。

一つ目でお伝えした自己の潜在意識を引き上げるというのも、広い意味でいうと言霊的ではあるのですが、僕の中での言霊の力は、言葉によって誰かの意識が変わり、それが何らかの形で自分にポジティブに跳ね返ってくる、というものです。

なるべくポジティブで愛情を込めた言葉を発することによって、自分に関わってくれた人、ご縁をいただいた人の幸せが少しでも増えたらいいなと思って生きていますし、ぜひ読者の皆さんも、そうあってほしいなと心から願います。

僕自身の定義では、「対象に対する想像力の深さ」によって、思いか、想いか、が決まります。「想っている」は、より深い想像力で対象のことを考えている、という状態です。

トップダウン型なら、コンパス(価値観の軸)との関連度が重要度を決める。
ボトムアップ型なら、ワクワクするかどうか、が重要度を決める。

なぜ僕がボトムアップ型に寄ってきているか、それは、社会の変化を受けて、ボトムアップ型のほうが結果として多くの共感を集め、仲間を増やし、夢をかなえやすくなりつつあるからです。

ちなみに、夢へのタスクをブレイクダウンする過程において、「自分に近い夢をかなえた人はいないかな?」「同じレベルで実績を出している人はいないかな?」と考えて、見渡してみると、非常に勉強になるので、試してみてください。

自分の人生の軸と、それが指し示す夢を認識・言語化して、ストーリーを語れるようになると、次第に、夢の応援団が現れるようになります。応援団が増えれば増えるほど、夢の実現確率は上がります。

夢をかなえるためには「緊急ではないけれど重要なもの」に向き合う時間をとることが大切です。

新たな創造につながるような情報は、実は生活のあらゆるところに転がっています。しかし、前項でも少し触れた通り、「未来において、過去のどの情報が重要になるか」なんて、実際に未来にならなければ判断できません。「明日何が大切な情報になるか」は、今日はわからないのです。

「努力」から「習慣」にするためには、まず何よりも、持っているだけでテンションが上がったり、嬉しくなったりするノートやメモ帳を買うところから始めましょう。

よく、シャワーのときや寝る前にアイデアを思いつくと言いますが、あれは「脳内の比率をアウトプット側にむりやり寄せているから」なのです。

人生は素晴らしいものです。本当に、無限の可能性があります。必ずしも、今皆さんが向き合っていることがすべてではない。無限の選択肢の中で、自分の人生の幸せを最大化するものが一体何なのか、考えてみてほしいのです。

心からモチベーションが沸く努力の対象を見つけて、結果を出す。それを達成する頃には、また別の動機を持っていると思います。まずは卑近な、自分が心から欲する欲望に目を向けてみましょう。

人生は「時間をどう使ったか」の結果でしかありません。

やはり大切なのは、表層的なテクニックではなく、「なぜやるのか」「何のためにやるのか」という根っこの部分だと思っています。

SHOWROOMの応援、すごくその気持ちわかります。
終章にある前田さんのエピソードが、また非常に印象的です。
読んで生かす価値はあると思える本です。


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