訪問先:公立保育園・幼稚園①
『子どもの健やかな育ちに大切なこと』粟澤 稚富美
前日見学した森の幼稚園は、お母さんが立ち上げたものでしたが、今日は公立保育園。すごく見ておきたかったので、さやかさんに無理を言ってアポを取ってもらい、希望者5人がフリー時間に見学させていただけることになりました。
隣合わせになっている0〜2歳の保育室と園庭、2歳〜4歳の保育園と園庭の両方ともおじゃましました。
こちらは0歳~2歳のエリア
外の小屋ではこどもたちがベビーカーや簡易ベッドでお昼寝をしていました。ベビーカーのまま外で寝かせるなんて可哀想、と思ってしまった私…
この「こんなことしたら子どもが可哀想」の声が、頑張りすぎる親を生んでいるのかもしれません。
この考えは、こどもにやってあげることを良しとするのでなく、出来るように働きかけるデンマークの考え方と大きく違う。
例えば、目が覚めた小さな子どもは自分でハシゴを使ってベッドから降りる。すぐ脇にペタゴー(保育士)がいるけど、抱き上げてベッドから下ろすなんてことはしない。自分のことは自分でする。チャンスを奪ってはいけないと、園長先生は話してくれました。
おむつ替えの台にも、子どもが自分で上がれるステップが置いてあります。
小さい子の保育で大事にしていることは、抱きしめる・近づく・安心すること。
安心のために家から自分のおもちゃを持ってきてもよく、ロッカーにしまってあるのだそう。そして、どうしたの?と聞くことや、いずれ子ども同士で解決していけるように保育者は導いていく存在なのだと教えてくれました。
こちらは2歳~4歳のエリア。大型遊具も充実していて、体をたくさん使って遊べるようになっています。ちょうど私たちが見学している時に、男の子が私にちょっかいを出してきました。追いかけるしぐさをすると、逃げ回ります。目の前にいる女の子にも何度もぶつかり二人で転がってしまうのですが、それもまた楽しいようで、なんども逃げては転がっていました。そう、転がってもさほど痛くないように地面がやわらかくなっているんです。
2歳~4歳の子どもたちは、要求に応えることて関係を築き、自己肯定感を育むこと。一人ひとりが違うとを認めるということは、サポートの仕方も違って当たり前。集団の中でも個性を認めてともに歩むことを大切にしているとのこと。
保育園には移民らしき子どもやペタゴー(保育者)もいました。
体罰が減ったとは聞いていましたが、幸せの国であっても、こどもへの虐待はなくなっていないらしい。虐待を見つけたら24時間以内に行政の窓口に連絡すること、心理士を交えて話すことが決められているそうです。発達に課題がある子の関わり方の相談などは日常でもあるとのこと。
課題を抱えた親子を救うのは、困る前に手を差し伸べること、孤立させないことなど、
予防に力に入れるしかないのではないか。
デンマークも日本も難しさは同じだと感じました。
感想『違いがあることは素敵なこと 』
デンマークは「違いがあってあたりまえ」という文化だと聞いていました。そして、その国に行ってみたいとずっと願ってきました。
私は、今回学びたいことキーワードに「こども」「暮らし」「多様な」の3つをあげ、事前学習では「ノーマライゼーション」をテーマに調べました。
まず驚いたのは、電車には車椅子や自転車、ベビーカーが置ける車両があったことです。すぐ脇には座席もあります。この時は別の車両で過ごしていた双子ちゃん家族がこの場でベビーカーに乗って降車していきました。
ほかにも、「しゃべってはいけない車両」があるそうです。静かにゆっくり過ごしたい方向け
電車だけでも、個人を大切にしていることが伝わってきました。
ヘルシンガーの商店街の点字ブロックは道の真ん中にありました。
図書館で見た様々な高さ、大きさのイスやソファも、ノーマライゼージョンの取組みのように思えます。
デザイン性が高く、押し付けがましくありません。
最後に仲間たちのことを。
旅の仲間は、中学2年生や大学生、職場仲間や日野市の大先輩方、仲良くなりたいと思っていた方たち、初めましてさん、そしてデンマークで待っていてくれたSayaka Ebiharaさんの16名。
たくさん話しをしました。お互いを尊重しあう関係。
この仲間たちだから出来た経験。
みんなの感性、興味、性格が違うことが楽しい。
Sayaka Ebiharaさんが、私たちひとりひとりの個性に注目してくれたことも大きかったと思います。違いがあって当たり前の国は、「私たちひとりひとりがチカラを持っている」ということを教えてくれました。
出会いにありがとう
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?