Leave No Traceを深掘り!【原則2影響の少ない場所での活動】
先日東京が梅雨入り、これから本格的な梅雨シーズンがやってきますね。雨が多いとなかなか「アウトドアに出かけよう!」という気持ちにはなりにくいですが、しとしと雨が降るなかのキャンプや梅雨の晴れ間のアクティビティは意外にも楽しいものですよ!今回はそんな雨の時にも少し役立つ思考かもしれません。
「影響の少ない場所での活動」と言われて、みなさんはどんなことを思い描きますか?
通常の公園やキャンプ場では、ほとんどの場合遊ぶことができる広場が確立されていたり、活動する範囲が指定されています。基本的にそのような管理されているような場所で活動しているうちは、他の自然への影響を抑えたLNTの原則に則った思考と行動と言えそうです。
では、この原則のミソは何か…?
一番本領を発揮するのは、ハイキングや登山のシーンだと思います。
以下の写真を見てください👇
これはとある登山道の写真です。不自然な形で道が左右に分かれています。
あなたがこの道に遭遇した時、どちらの道を歩きますか?
これに答えはありません。大事なのは「なぜその道を選んだのか」ということです。あくまでこの写真上での個人的な意見ですが、右側の道の方が左側の道よりも歩きやすそうに見えます。左側は整備された登山道が通っているようですが、足を置く場所に水たまりができており、可能だったら通りたくないかも…。と思う人も少なくないはず。
しかしこの写真、実はこの右側の道はもともとなかったもの。つまり、足場の悪そうな左側の道を多くの人々が避けるように歩いた結果、長い月日をかけて新たな登山道が作り上げられ、あるべき自然の領域に人間がまた1歩踏み込んだというわけです。これを登山道の“複線化”と言います。
以下の写真も同じような状況です。👇
「じゃあ、悪天候だとしても悪路を歩けばいいんだろ!」と、言うわけではありません。何度も言うように、ここで大切なのは道をどうやって通過するのか“考える”ことです。例えば雨の降る中で複線化した道に遭遇した時、複線化を促進させたくないからといって、普通の運動靴で滑りやすいぬかるんだ登山道を歩きますか?はたまた、防水のしっかりした登山靴で来たけれど汚れるのが嫌だから、濡れない、汚れなさそうな道を歩きますか?
登山というアクティビティは、滑落・転倒を中心にした常にリスクが伴う活動です。その日の天候・コンディション、一緒に歩いているメンバー、メンバーの経験値や装備、などの「安全」という側面と「環境」の両方向から検討する必要があります。
悪天候時の登山で複線化しているルートに遭遇したら…
○もし、登山靴を履いていて、登山に慣れている人が通るのであれば、ぬかるんだ道を通るのがベターかもしれない…。
○もし、山に登り慣れていない人を連れているのであれば、安全に考慮してぬかるんでいないところを歩くのがベターかもしれない…。
というように、その時の状況や状態を考慮してその時に見合ったルート選択ができるようになる経験が増えると、それがまさに“LNT思考”になっていくのだと思います。
ひの自然学校 サステナブルレスポンシビリティマネージャー
若泉わか
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