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熱中症予防は暑くなる前から勝負が始まっている!?

 春はどこへ行ったやら…。天気がいい日にはそんなことも感じます。穏やかな春の気候というよりは、日が照ればやけに暖かく汗ばむ日もあるほどです。昨年の夏は相当熱く、熱中症が心配…とされていましたが、その傾向は今年も変わらないようです。
 ところで、熱中症対策はみなさんどのような作戦を立てていますか?
・WBGTの数値で管理
・活動量の調整または制限
・適度な水分や塩分の摂取
こんなところでバランスを取っているのではないかと思いますが、今日は熱中症対策にプラス1、「熱さに強い体を作ってしまえ!」という事前準備についてです。

テーマは『暑熱順化(しょねつじゅんか)』

 徐々に体を暑さ順応させることである。「暑熱順化」「暑熱順応」とも表記される。昨今、熱中症患者が急増している要因の一つとして、専門家は「暑熱順化」が不十分な点を挙げる。

Wikipedia

 要するに暑さ慣れです。本格的に暑くなる前に体を慣らせておくとこんなにいいことがあるようです。
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・熱をより速いスピードで分泌でき体温の上昇が抑えられやすくなる
・汗の中の塩分が減り、体内のナトリウムを失いにくい
・血液量(血しょう量)が増えることで、体表面での熱放出が促進される
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 通常人間の体温は一定の温度域に保つように調整する機能があると言われています。暑い環境になると汗をかいて気化熱で放出したり、衣服を調整したりしながら自分自身でも体温を不用意に上げないように努力をしています。しかし、その過程で疲れてしまったり、努力の甲斐なく熱放出が追い付かず体温が上がりすぎてしまった人を総称して熱中症と呼びます。
 暑熱順化できると、体温調整する体の機能を強化するわけですので、暑い環境に立ち向かいたいときにはぜひとも身につけたいですね。

サイクリングやウォーキングも暑熱順化に良いとか!?

暑熱順化を手に入れるには

 さて、どうすればいいのでしょうか。

 体を暑さに慣れさせることが重要なため、実際に気温が上がり、熱中症の危険が高まる前に、無理のない範囲で汗をかくことが大切です。
 日常生活の中で、運動や入浴をすることで、汗をかき、体を暑さに慣れさせましょう。
 暑熱順化には個人差もありますが、数日から2週間程度かかります。暑くなる前から余裕をもって暑熱順化のための動きや活動を始め、暑さに備えましょう

熱中症ゼロへーWebサイト

要するに「汗をかいて暑さに慣れる練習」です。
・ウォーキング
・サイクリング
・ハイキング
・筋トレやストレッチ など、軽い汗を各運動は暑熱順化のプロセスになるんだそうです。日常的に外で「汗をかいて遊ぶ」のもいいことですね。 
 それだけでなく、お風呂につかることでも汗がかけます。暑くなってくるとシャワーだけで済ましがちですが、じっくりお風呂に浸かるのもいいですね。
 暑熱順化には2週間ほど時間を要するようです。そしてネットを調べると「暑熱順化前線」という指標もあり、暑さの到来からこの辺で順化始めるといいよ~と教えてくれるサイトまであります。

 このサイトによると東京は5月下旬くらいから始めようということで、今年の夏はいい準備をして暑さを上手に乗りこなしたいですね。
 ちなみに、一度順化を手に入れても2週間ほどクーラー完備の部屋に戻ると元に戻っちゃうのだそうですよ。暑熱順化を手に入れた後も適度に外で過ごすことも大切そうです。

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寺田まめた(ひの自然学校リスクマネジャー)

【参考文献】
〇日本における熱中症予防研究(芳田,2015)
〇熱中症ゼロへWebサイト:https://www.netsuzero.jp/
〇環境省熱中症予防情報サイト:https://www.wbgt.env.go.jp/
〇Sawka, M.N. American College of Sports Medicine posi:on stand. Exercise and fluid replacement. Med. Sci. Sports Exerc. 2007, 39, 377–390
〇環境省平成24年度ヒートアイランド現象に対する対応及び震災後におけるヒートアイランド対策検討調査業務参考資料1-4「暑熱順化が熱中症に及ぼす影響の整理」
〇Garrett AT. Induction and decay of short-term heat acclimation. Eur J Appl Physiol. 2009;107(6):659e70.
〇Clinical Practice Guidelines for the Prevention and Treatment of Heat Illness: 2019 update.

#熱中症 #熱中症対策 #外遊び #子育て


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