画家の魔法
コロナ禍で外出自粛が求められていた時、ほしかったもの。私はこの画集だった↓
(マスクなど必需品以外で)
北欧の画家の絵には冬景色が溶け込んでいるみたいだ。
外出自粛中はなるべく家に籠らなければならなかった。
(美術館に行けないことが予想外に辛かった。だいたい年に1、2回ぐらいしか行かないのに)
特に2020年の3月から6月ぐらいまでが大変だった。
コロナがどんな病気かわからなくて不安だったし、学校も何ヶ月も休校になって世の中ひっくり返ったみたいになっていた。
ところが家は家で、息ができないほど居心地が悪くなった!
(どこのお母さんも大なり小なり似たような事情だと思うけど)
てんやわんやの状況下で、私はハマスホイの絵に惹かれていた。旅行のガイドブックでもおいしいレストランの記事でもなく。
特にハマスホイの、人物のいない窓の絵が好きだった。
静かな部屋、静寂を一番に求めていたのかもしれない。
(外出自粛で外に出られないからって”外“を求めていたわけではなかったのね)
窓とか、床に落ちた陽を見ていると・・・落ち着くのです。
しずかな気持ちになれる。
そういえばバージニアウルフが言っていた。
「女性には500ポンドと鍵のかかる自分だけの部屋が必要」だと。
彼女は女性の味方だった。あの時代にすごいことだ。たまに思い出す。
誰だって味方がほしい。
そういえば、彼女に誰か味方はいたかな?
アーティストは大抵、一人で戦っている。
ハマスホイの色について。
「その時、ハマスホイのパレットを見ました。私はそれを決して忘れることができません。
そこには灰色と白の四つの絵の具の塊が乗っており、それぞれが注意深く区別されていました。
最も奇妙だったのは、重ねられた下の層が不思議な光沢を帯びていて、まるで4枚の牡蠣の殻がパレットに乗っているように見えたことです。
しかしそれらの絵の具で彼は、私が賛嘆してやまない、あの美しい絵を描いたのです。」
ハマスホイのパレット、見たいですか?
これです。
これがあの魔法になる。
画家のパレットには一人で戦った痕が見える。
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