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一生背負っていくかもしれない言葉

「あなたは”花鳥風月“を思わせる」と言われた女の子は、その言葉、「花鳥風月」を一生背負っていくことになるでしょう。

林真理子さんの小説。
ほんとうに素敵で、忘れられない一節です。
(何の小説だったかは忘れたけど)


何気なく発された言葉を一生背負うことになる、ということがある。



嫌な言葉だったら勘弁だけど


もしそれが素敵な言葉だった場合、その人を生涯支え続けるはずだ。



誰だったか

「別れる男には花の名前を教えなさい。彼は一生、その花を見るたびにあなたを思い出して忘れることはできないでしょう」

と言った人がいた。

それも素敵な呪縛だと思う。
(永遠に効力があって相手を決して傷つけることはない。なんてささやかで美しい呪縛なんだろう)


とあるお寺に嫁いだお嫁さんが、義父からこう言われたそうです↓

「寺の嫁といえば”寺界のファーストレディ“やんか!胸張っとりなさい!ガハハ!」って。



お嫁さん、最初は「はあ?」と思ったそうです。

しかし数年経ってみると、結婚当初言われたその言葉「寺界のファーストレディ」がずっと効いていて、胸はってやってこう!と思うのだとか。


義父様、すてき。優しい、と思う。
とても優しい。



素敵な言葉選びをする人は、人を助ける。

(逆もある。。。世の中逆の方が多いけど、私たちは美しい方へ目を向けましょう!)


林真理子の言葉を読んだ時、わたしも何か素敵な言葉を言われてみたい!と思った。
若かりし頃。
私は20代前半だった。

背負うべき言葉を待っていた。


どんな言葉がいいだろう?

もちろん”花鳥風月“がいいに決まってる!
が、そんな言葉がふつうの人から出てくるわけがない。


ちょうどその頃
取引先の方に「古風な感じですね」と言われたのだった。



これか!
私の背負う言葉ゲット!
花鳥風月がよかったけども!
「古風」なら系統は同じだろうか・・・?


もっと、花鳥風月並みの映像が浮かぶような美しい言葉がよかったな、と思いつつ

滅多に会うこともなかったその取引先の人の顔は今でも覚えている。




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