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「大人の道具箱」の世界へようこそ。新しい収納家具の秘密・その3

一般のお客様からの評判は上々の大人の道具箱。しかし、展示会でPRするものの、新規取り扱い店舗の拡大は思うようには進みません。どうしたら商品の魅力をより多くの人に知ってもらえるのか?試行錯誤の日々は続きます。


1. 「お母さんは、インスタをやった方がいい」

市川木工は、夫婦2人だけの零細企業。製造業ゆえ、製作にかかる費用(材料費、工場を動かす電気代等)は削れませんが、広報は、無料ホームページで製作(市川木工HP)したり、SNSを利用するなど、お金はかけない主義。

私がブログを始めたのは2007年のことです。以来10年以上、仕事、新作、日々の出来事などをブログに書いてきました。この時はまだ、会社で発信しているSNSはブログだけでした。

ある日長女から「お母さんは、インスタをやった方がいい。」と勧められました。当時の彼女は大学生。アパレルショップで販売員のバイトをしていたのですが、こんな事を言うのです。

お店に洋服を買いに来るお客さんは、インスタ見て来ましたって言う人はいっぱいいるけど、ブログ見てきましたって言う人は、ひとりもいないんだよ。

衝撃の一言でした。

Facebookも40代以降の中年には人気だけど、若者は使わないよ。ブログやFacebookは文章が長くて、読むのが面倒くさいから。

どうやらスマホネイティブ世代はビジュアル優先で情報を吸収するので、いちいち文章まで読まないらしいのです。

私はすぐにアプリをインストール、市川木工インスタグラムを始めました。そしてこれが、大人の道具箱のその後の運命を、大きく変えることになりました。

2. 「インスタ見ました。商品買えますか?」

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そのメールが届いたのは、インスタに家具や雑貨をアップし始めてから、しばらく経った頃でした。

あなたのインスタを見ました。アップされてる商品は、買うことはできますか?

それは、お問い合わせのメールでした。このようなメールは普段からよく送られてくるので、さほど珍しくありません。でも、今回は少し違いました。送信してきたのは、日本製品を扱う香港のインテリアセレクトショップだったのです。

もちろん!もちろんです!

なんだかとっても嬉しくなって、早速カタログと価格表を香港に送りました。しばらくするとそのショップから、小物の注文が入ったのです。

葉っぱヘッダー

ご注文品は、積層のラインがアクセントの、寄木で作った葉っぱのトレー各種でした。いろんな樹種で製作しているので、たくさん並べると落ち葉の吹き寄せみたいに見える商品。アクセサリー、ペン、鍵などのトレーとしてだけでなく、お茶とお菓子を一緒に載せる茶托でも使える、かわいくて便利なロングセラー品です。

商品はすぐに、EMSで発送しました。初の海外出荷!その時は、それだけで十分満足でした。

3. 東京インターナショナルギフトショー

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東京ビッグサイトにて、年2回開催される東京インターナショナルギフトショーは、日本最大のパーソナルギフトと生活雑貨の国際見本市。出展社、来場者とも、世界各国から集まる日本でいちばん大きな規模の、業者向け総合見本市です。

2018年2月に開催されたギフトショーは、ビッグサイト全館を使用する大規模なものでした。商談目的の来場者は、泊りで3日間かけてじっくり吟味することも珍しくない展示会に、我が社は、1小間という、いちばん小さなブースで出展しました。そこにあの、香港のショップの皆様がいらしてくださったのです。

私たちは日本語。先方は、中国語、英語、日本語を使いながら、身振り手振りでコミュニケーションしました。まずはご挨拶、私たちは作っているものを紹介し、彼らはブース内を撮影し「ではまた!」と言って、嵐のように去っていきました。その間、多分10分もお話しなかったかもしれません。それでも、インスタグラムでつながった外国とのご縁に、「こんなことって、本当にあるんだ!」と、感激しました。

4. 「大人の道具箱」1セット、注文します。

展示会終了後、ほどなくして香港のショップから、大人の道具箱Bセット・1セットの注文が入りました。大人の道具箱は家具ですが、ゆうパック(国際郵便)で送れる事をその時初めて知りました。

1セットのみなので、航空便で出荷。大人の道具箱、海外デビュー!それだけでも、ギフトショーに出展して本当に良かったと、心から思いました。
でも、本当のスタートは、ここからだったのです。

つづきます。


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