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能が語源になった言葉たち(1):「ノリがいい」のノリは能から生まれた言葉

能が語源になっている言葉をご存知ですか?
今回は日常で自然に使っている言葉をご紹介します!

●よく使われる言葉

【ノリがいい】

盛り上がった場に順応していることや、明るく会話できると言ったような社会性が高い人に向けられる言葉。
能楽では「リズム」「テンポ」のような使われ方をしています。例えば能における「ノリがいい」とは、能のお囃子(おはやし)や謡(うたい)のリズムがよく、その上演自体に良い印象を持つ、という感じです。
漢字では「乗」と書かれます。
「平(ひら)ノリ」「中(ちゅう)ノリ」「大(おお)ノリ」という3種類を基本に、様々な「ノリ」があり、演目全体のリズムを作っていきます。

鞍馬天狗_謡本02

(観世流大成版謡本「鞍馬天狗」)

観世流の謡本では「大ノリ」は「ノル」と書かれています。


【埒(らち)があかない】

一説では、奈良の春日大社のおん祭りで使うお神輿を囲う柵のことを「埒」と呼んでいました。
金春(こんぱる)大夫が埒(柵)に入り祝詞を読んでからその柵が開いたことから、物事が進み出す意味で「埒が開く」と使われるようになったようです。転じて「埒があかない」は物事が進まないことを意味しています。


いかがですか?

「諸説あり」にはなりますが、普段使っている言葉の語源を知るのは楽しいですよね!

次回は、舞台や演劇で使われている「能が元になった言葉」をご紹介します。ぜひご覧ください!


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