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能が語源になった言葉たち(2):芝居・脇役・番組は能が語源!?

前回の記事はこちら!
能が語源になった言葉たち(1):「ノリがいい」のノリは能から生まれた言葉
 

●演劇関連

第2回目は演劇関連の言葉です。能は日本の舞台芸術であるため、現代の演劇や舞台で使われている言葉の元になったものもあります!


【脇役】

能の主人公を「シテ」といいますが、演ずる人・演技をする人という意味で昔は「為手」と書かれていました。それに対して「脇」と言う言葉が使われていました。

脇役と聞くと引き立て役をイメージするかもしれませんが、能におけるワキ方は物語の進行に大変重要な役割を持っています。
主役であるシテ方は幽霊や妖怪などとして現れますが、ワキ方は能を見ている観客と同じ人間として存在します。
ワキ方は観客と能の舞台をつなぐ役割も担っているのです。

ワキ02

(「紅葉狩」のイラスト)
ワキ方・平維茂(たいらのこれもち)がシテ方・鬼神と戦う場面。


【芝居】

「芝居」は、演劇や演技と同じような意味として使われています。
能楽が「猿楽(さるがく)」と呼ばれていた頃、神社の境内などで演じられていました。(能楽という言葉は、明治になってから使われるようになりました)
その時観客は芝の上で観賞していたことから、その観客や観客席を芝居と呼んでいました。時代を経て、演劇や芸能が行われる場所のことを指し、さらに演劇や演技を芝居と呼ぶようになりました。


【番組】

能や狂言の一演目を「一番、二番」と数えます。それらを組み合わせたプログラムだから「番組」と呼ばれるようになりました。
現代でも使われている、「テレビ番組」「ラジオ番組」などの呼び方につながっています。

下のチラシを例にしますと「この会は、能が三番、狂言が一番の番組ですね」となります。

京都観世会チラシのコピー

(3月28日開催の京都観世会三月例会の「番組」)

能の番組は江戸時代には書き方が固定化され、どの位置に能楽師の名前があるかでどの役を演じるのか分かります。
ぜひ能会のチラシをご覧になってくださいね。


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