ぬいぐるみ

優しさとは何かというのは
ありきたりで愚問かもしれない
けれどぼくはそれに大胆にもこう言いたい
優しさっていうのはある種の偽善なのだと
３分半の間に論破するから許して
どんな真実も現実も曲げて壊すような
柔軟な暴力でひとを救う
嘘のような柔らかさでひとを包む
本当のことにはうんざりするよね
勝ち負けがあって
優劣や当たり外れがあって
平等なわけがない
ぼくもきっとフリーク出来損ないの人形で
愛されないぬいぐるみのように哀れ
せめて誰かの哀しいリアルを
今だけは破壊して
夢のようなリズムで運んであげたい
わかっているんだ本当のことは
こんなのも詭弁だ
でも優しさは偽善でいい
善いものに似せて甘い言葉を吐く
それで喜んでくれるならいいんだ
きっとそれは綺麗だよ
その瞳のように