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頭の中のストーリー

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物語、小説、散文、自由詩
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#暮らし

布団から #シロクマ文芸部

布団から今日も声が聞こえる。 「今日はずいぶん遅かったね」 「ちょっとやらなきゃいけない…

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わたしたちは知っている。

またささくれができてる。 わたしは気になってそれをつまんだ。 「やめなよ。痛くなっちゃう…

雨の音と、ホットワイン。

雨が降るとなぜか少しだけ憂鬱になる日がある。 雨の匂いも、しとしと降る音もそんなに嫌いじ…

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冬の匂い、バイクの音、君のポケット。

冬の気配を感じる肌寒い風と共に、ガソリンの匂いを嗅ぐと、あの頃の夜を思い出す。 3回だけ…

さよならを待つ引き出し

よく晴れた休みの日。 なにげなく開けた引き出し。 ふと思い立って中のものを全部出して、 わ…

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とある温泉施設に書かれた新しい注意書き

彼女は猛烈に怒っていた。 ここは、とある日帰り温泉施設。 施設といっても、簡単な受付とち…

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ある木曜日の"診察室"

「それで、今日はどうしましたか?」 「あの、なんだか体がだるくて。」 白衣を着た男が言った。 「そうですか、それではまず熱を測って。」 体温計を差し出す。 「これは、えぇと、どうやって使えばいいのでしょうか?」 「ほう、体温計の使い方を知らない?珍しい。これはこうやって脇に挟む。しばらくすると音が鳴るからそうしたら抜いて数字を見てください。」 静かな空間にピピッと電子音が鳴る。 「ほらこんな風に。」 男は体温計を受け取る。 「36.5 ℃...なるほどなる