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海辺の小さな美術館で
海辺の小さな美術館でコレクションしているアートは、音。世界中の人々の心臓音を保存し、「鑑賞」に供する。それが豊島の「心臓音のアーカイブ」でした。
暗い部屋に電球が一つ吊るされていました。生きている人なのか、もうこの世にいない人なのか、見知らぬ他人の心臓音に合わせて、電球が明滅していました。
自分の心臓音の登録もできます。録音した心臓音にシリアルナンバーが振られます。Sと私は、お互いのナンバーを交換し、それをスマホに納めました。
数年後か、数十年後か、私かSがこの世を去り、残された片割れがふと思い出して、ここで片割れの心臓音と再会する。そんな日のことを思っていました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。何らか反響をいただければ、次の記事への糧になります。