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【日向坂46】強かった渡邉美穂と、弱くなれた渡邉美穂。彼女にまだ興味がない人にほど読んで欲しい。

さて今回は日向坂46のストイック担当といえばこの人、2期生の渡邉美穂をピックアップします。

が、その前にちょっと余談です!というのも今回も日向坂46が紅白に出場しましたね。

今回は宮田愛萌が休業で出れませんでしたが、新3期生の髙橋未来虹、森本茉莉、山口晴世が初出場。2019年は休業していた1期生・影山優佳と2期生・濱岸ひよりも初出場となりました。

そして忘れてはいけないのが、筆者の推しの松田好花が紅白で休業後地上波初復帰となりました!おかえり!!幸せだ!!!

と、余談を挟んでしまいましたが今回ピックアップするのは前述した通り「渡邉美穂」です。彼女のイメージといえば日向坂きってのストイックガール。そんな彼女の変化について触れていきたいと思います。

■強く完璧なアイデンティティ

渡邉美穂といえば加入当初から厳しさを帯びた真面目さが印象的なメンバーでした。それ故にプロ意識や能力も高く、すぐに1期生が主演のドラマ『Re:Mind』に出演したり、二期生お披露目の際もセンターやフロントを務めたりと、なにかとスポットライトが当たる機会がありました。

彼女はけやき坂46の2期生オーディションを受ける前から芸能界を目指しており、その熱量は親や教師の反対を押し切ってまで推し進めようとしてたほどです。また数多くのオーディションを受ける中で選ばれない悔しさを強く体験してきています。こうした部分も相まって、合格後の彼女は芸能の仕事に対して非常にストイックに、完璧を目指して取り組むようになります。

2020年12月に放送された『大好き!日向坂46 ~芸能界おひさま化計画&ライブ映像蔵出しSP~』の中でも、過去のライブ映像を見た1期生が「美穂は(顔つきも)何も変わらない」と言うくらい加入当初から仕上がっていたメンバーです。同じ映像を見ても同じくフロントにいた小坂菜緒、河田陽菜はとても幼く見えます。(まわりの2期生も同様です。)

そんな彼女はやはり運営からも評価され、1期生と初の合同楽曲『NO WAR in the future』でも目立つポジションを任され、2期生初の楽曲『半分の記憶』でもフロントを任されます。その波は収まることを知らず、2018年8月に発表された1期生・加藤史帆がセンターを務める『ハッピーオーラ』でもフロントメンバー入り。『JOYFUL LOVE』『君に話しておきたいこと』でも同じくフロントに入り、なんとグループで初めて写真集を出すなど、小坂菜緒と同等かそれ以上に2期生を代表する存在として活躍してきました。

筆者が見返してみてもやはり渡邉美穂はMV、ライブともに完璧です。いわゆるメイキングのシーンでは少女らしさ、アイドルらしさを出していますが、いざ本番が始まるとプロの顔。加入して1年以内のメンバーの中では誰よりもプロだったことが伺えます。もちろん他のメンバーも相当な努力を重ねてきたと思いますが、渡邉美穂に関してはその努力のレベルが尋常じゃなかったことが各所から見て取れます。

しかし2019年3月に日向坂46に改名してからは、2期生の中で誰よりも先を走っていた彼女に苦難が訪れます。

■誰よりも前へ。誰よりも先へ。だから。

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このブロックは渡邉美穂推しの方にとって嫌な表現が含まれる可能性があります。決して貶めるような表現はしていませんが、目を通したくない方は飛ばすことをお勧めします。

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2019年3月にけやき坂46は日向坂46に改名。第3の坂道グループとして欅坂46のアンダーグループから独立します。

これまではグループ全体でリリースする楽曲の多くは1期生がセンターを務めていましたが、日向坂46の1stシングル『キュン』は2期生・小坂菜緒が務めることになります。

小坂菜緒をピックアップした記事でも書きましたが、1stシングルはセンターの重荷を背負った小坂菜緒をバックアップするため、小坂の周りには歴代のセンター経験者を配置するフォーメーションになりました。これにより渡邉美穂のポジションは2列目に下がります。いえ、下がり続けることになります。

2ndシングル『ドレミソラシド』、3rdシングル『こんなに好きになっちゃっていいの』、4thシングル『ソンナコトナイヨ』、その全ての楽曲で渡邉美穂は2列目のポジションを担当。対して同期の小坂菜緒は1stシングルから4作連続でセンターを務め、2ndシングルでは河田陽菜、丹生明里がフロント入り。4thシングルではかつて自分の遥か後方でパフォーマンスしていた金村美玖がフロント入りします。それだけではありません。3rdシングルから2列目に同期の松田好花が加わるなど、徐々に同期たちが自分に追いつき、追い抜いていく姿が見られるようになります。

念のためですが、筆者は今回あえてこのような表現を用いました。なぜなら渡邉美穂は日向坂46の中で最もストイックで、最も「競争」を意識していたメンバーだからです。

競争を意識していたことは2019年9月にTBSチャンネル1で放送された『セルフ Documentary of 日向坂46』で本人の口からも語られています。同時にポジションが下がることへの不安、同期に追い抜かれることへの恐怖を誰よりも感じていたことがこの番組内で描かれています。その不安と恐怖は彼女に一瞬「アイドルを辞めよう」と思わせるまでに重いものでした。

当時この番組を見ていた筆者は彼女の発言に強い違和感を覚えました。彼女と同じ回に出演したのは3rdシングルで初めて2列目に入った松田好花、まだ2列目以上を経験していない富田鈴花です。彼女はこの2人を目の前にして「フロントから落ちた」「2列目じゃダメだと思う」と口にしています。もちろん2人と仲が良かったからこそ口にしたことだと思いますが、それでもこの時点の彼女は強い競争の意識に取り付かれてると感じました。周りが見えなくなるほどに。

筆者が思う日向坂46の良さとは、上の記事で書いた通り「みんなで前に進もうとする姿」です。確かに日向坂に改名した当初は急に忙しくなったり、メンバーの休業や卒業が重なったりと、非常に慌ただしく、多くのメンバーが周りに目を向けられる余裕がありませんでした。ですが少なくともこの時点の彼女は、その中でも特に日向坂のカラーから外れた方向に進もうとしていたように思えます。

しかし彼女は今年に入って大きく変わりました。今では筆者も心から彼女のことを素敵だと思い、応援したいと思います。ましてや日向坂のカラーに外れた存在だなんて決して思いません。それくらい、彼女はこの1年で本当に大きな変化を迎えました。

■「ともに歩む」ということ。

2020年12月に開催された「ひなくり2020」では、目の病気で長期休業に入っていた松田好花の復帰が発表されました。本人はリハーサルから本番まで常に泣きっぱなしという状態で、ユニット『花ちゃんず』を組む富田鈴花もMCで涙ぐむシーンが映されました。

そしてその横でひっそりと号泣していたのが渡邉美穂です。それはもう高校球児並みの泣き方で、話を振られてもまともに答えることができないほどの号泣っぷり。こうした弱い姿をファンに見せる機会が殆どなかったキャラクターだけに、公演後はファンやメディアの間でちょっとした話題になったほどでした。

そして号泣する中、声にならない声で彼女が語ったのは「全員そろってステージに立てるって、当たり前じゃないんだなって思いました。」という言葉。松田好花がステージに立てていること、休業している宮田愛萌がこの場にいれないこと。彼女は同期のことを心から想い、普段からは想像できない姿で涙を流していました。振り返れば1年前の「ひなくり2019」でも、彼女は東京ドーム公演が決まったことで脇目も振らず涙を流していました。普段は強い自分であろうとしているだけで、その内側は決して強さばかりではない。彼女の涙にはそういう意味が含まれていると筆者は感じています。

そして2020年12月31日に彼女のブログが更新されました。その中で彼女は自分の変化をこう語っています。

今年1年で変わった事、そして変わらなかった事
ちょっとだけお話しますね。
今年は人とたくさん話すようになりました。
他愛もない話も悩み話も、色々です。
物事が上手くいかなくてモヤモヤした時
メンバーとご飯を食べながら話をしたり、夜遅くまでビデオ通話をしたりして。
悲しい事や悔しい事があった時
母親にたくさん話を聞いてもらいました。
1年前の自分には出来なかった、人に弱みを見せるという事。
これが出来るようになり、自分への負担がかなり減ったのかなと思います。
周りで支えてくれる人の存在は大きいなと
改めて感じる事が出来ました。
でもやっぱり
メンバーの存在は大きいなと感じる1年でした。
3期生が加入して、影ちゃんが戻ってきて
同期メンバーの活動休止があって
自分も色んな事を考えさせられました。
他のメンバーが出ているテレビや雑誌をチェックしたり、ブログを読んだりして、「皆も頑張っているんだなぁ、誇らしいなぁ。」って嬉しくなったり
メンバー愛が深まった1年でもありました。
そして、これまでもこれからも変わらない事。
感謝、謙虚さ、向上心
意識しないと忘れてしまうから
こうして書き出す事で、自分への戒めとしています。
これから先も、周りの人を大切に
そして時には誰かを支えられるように
人として成長出来るよう頑張ります。

強い女性だからこそ「具体的に何が自分を変えたのか」という点までは明言しませんでしたが、このコロナ禍でメンバーと離れ、親しいメンバーの休業も重なり、当たり前のことが当たり前でなくなる中で、「仲間」という部分を強く意識するようになったのだと思います。松田好花と宮田愛萌へのエールを込めた「ひなリハ ~青春の馬~ 」もそれを意識する大きなきっかけになったと思います。

きっと彼女の中で競争の価値観がなくなることはありません。ストイックに競争できることは彼女の強みであり、他のメンバーにはない強力な成長の源です。ですが「それだけでない」ことに気づいた今の彼女は、これからもっと飛躍するのだろうな、と感じています。自分の弱みを見せられるということは、その弱みを克服するチャンスが増えたということでもあります。メンバーに共有して一緒に考え、一緒に克服していく。それができるようになった彼女が飛躍しないはずがありません。(まったくもってどの目線から言うんだって感じですが…)


ということで、今回は日向坂46の2期生・渡邉美穂をピックアップさせていただきました。彼女に限らず、人の先を行こうとする人が味わうのはいつだって「孤独」です。それを理解し周りを頼れるようになった人は素直にすごいですし、きっとこれからもっと成長していくのだろうな、と思います。日向坂はまわりに理解を示し、一緒に歩んでいこうとする姿勢があるチームなので、きっとこの先、また新しい「渡邉美穂」が見れるのだろうなと、ひっそり期待しております。

ということで新年一発目から重めの記事になってしまいましたが、本当に日向坂46は素敵な子が多いですね。一人ひとりが自分なりに成長していく姿が見られるので、見ていて飽きる瞬間がありません。たくさんヒューマンストーリーが詰まっていますね。

という感じで、今回はしっとり締めたいと思いますよ~!

そして新年あけましておめでとうございます!!今年も何卒宜しくお願いします!



#3.振り返れば、いつもそこに日向坂。

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