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【日向坂46】新世代のアイドル・小坂菜緒のセンターは輝いていたのか(輝いていたよ、うん。)

ものすごく今さらですが、1stアルバム「ひなたざか」のリード曲「アザトカワイイ」でセンターが1期生・佐々木美玲(みーぱん)に交代しましたね。これにより4thシングルまでセンターを務めてきた2期生・小坂菜緒はセンターから外れることになりました。

相変わらずフォーメーション発表は冠番組でぬるっと放送されたわけですが、その中で涙を見せたのがこの小坂菜緒でした。

小坂は4thシングル発売後のメディアのインタビューで「このシングルで(センターを)外されると思っていた」と語っています。いつか外される覚悟は常に持っていたようですが、いざその瞬間が来るとやっぱり涙が溢れてしまったのだと思います。(そりゃまだ10代後半だもの)

そこでネット上で多く見られたのが「小坂はセンターの重圧から解放された」という意見でした。筆者的にはそれもあるだろうけど、本当にそれが全てなのか?という点がすごく引っかかっており、今回は当時掲載されたメディアなどを引用しながら、小坂菜緒の魅力に改めて迫っていきたいと思います。

■日向坂のセンターは乃木坂や欅坂とは違う

たとえばエンタMEGAの記事『日向坂46、驚きの「センター交代」の背景に欅坂46の“失敗”か… ファンは運営の采配を大絶賛』、アサ芸プラスの記事『日向坂46小坂菜緒、「センター外れ」で蘇った生駒里奈の“倒れ込み事件”』なんかは、モロに姉妹グループの乃木坂の事例や、欅坂の失敗(センター・平手友梨奈への依存体制)を例に出して今回の交代劇を語っています。

日向坂46の前身グループの「けやき坂46」は、2016年の5月に現1期生が加入し正式に活動がスタートしました。

2019年3月のラストライブでその歴史に幕を閉じるまでの約3年間、欅坂46のアンダーグループとして活動していました。2020年12月現在では改名してからまだ2年も経っていないため、実はこのグループは「けやき坂46」として活動していた期間の方が長いんです。

そしてこの間にセンターを経験したメンバーは多く、2019年8月にグループを卒業した「柿崎芽実」、現在もフロントメンバーとして活躍している「加藤史帆」「齊藤京子」、そして今回のリード曲でセンターを務めた「佐々木美玲」と、4名のメンバーが代表曲(MVがついた楽曲)でセンターを経験しています。

またけやき坂46時代のアルバム『走り出す瞬間』の収録曲まで含めるとさらに多くのメンバーがセンターを経験しています。

その中には2期生初の楽曲「半分の記憶」でセンターを務めた小坂菜緒も含まれており、彼女は改名前のグループの代表曲「JOYFUL LOVE」と「君に話しておきたいこと」でもセンターを務めています。つまり日向坂になって初めてセンターを経験したわけではないんですよね。

そしてぜひGoogleで「日向坂 キュン フォーメーション」で検索してもらいたいのですが、このシングルでは小坂を囲むように代表曲のセンター経験者がずらりと名前を連ねています。まさに頼れる先輩大集合。小坂に対して万全のバックアップ体制を敷いているのがわかります。

こうなると「ぐるぐるカーテン」でいきなりセンターに抜擢された乃木坂46の生駒里奈や、センター固定という事態に陥っていた欅坂46の平手友梨奈とは状況が大きく違っていたことが分かりますよね。日向坂は誕生した時点で既に、センターの気持ちを理解し支えられるメンバーが集まっていたんです。

■小坂菜緒には支えてくれる仲間がいた

この記事でも書きましたが、初期の乃木坂46は本当に競争が激しいグループでした。センターがグループ内外から厳しい視線を注がれた乃木坂46に比べて、日向坂46はその色が大分薄かったことが様々なメディアで伺えます。

たとえば書籍「日向坂ストーリー」では、1期生・齊藤京子が「これからセンターよろしくね」と優しく声をかけ、小坂菜緒を支えていたことが描かれています。同様にドキュメンタリー映画「3年目のデビュー」では、1期生・加藤史帆が泣いている小坂菜緒を(手をクンクンしながら)優しく慰めるシーンが描かれています。

そもそも1期生は過去に佐々木美玲がセンターに抜擢された時、同期の高本彩花が自分のことのように喜ぶなど、最初からバチバチした雰囲気はなく、調和的な色を持つメンバーばかりが集まっていました。それは後輩に対しても変わらず、小坂を支えるという意識にも繋がったのだと思います。

そして同記事でも書いた通り、日向坂46は非常に連帯感が強く「みんなで前に進む」という意思(チームワーク)が根付いたグループです。けやき坂46時代から楽曲振付に携わり、日向坂46の最新シングル「ソンナコトナイヨ」まで表題曲全ての振付を担当してきた『CRE8BOY』の秋元氏も、ドキュメンタリー映画内で彼女たちの仲の良さを称賛しています。

松田好花をはじめとした同期メンバーや、キャプテン・佐々木久美も小坂を特別扱いすることなくフラットに接しています。仲の良い後輩の3期生・上村ひなのも小坂の良い聞き役となっていたことは想像に難くありません。けやき坂46という歴史が育んだチームワークと個々の経験が、小坂のことを優しく支えていたのではないかと筆者は考えています。

■全力でやってきたからこそ滲んだ悔しさ

さてちょっと話が変わりますが、佐々木美玲のセンターと小坂菜緒のセンターでは表現される世界観がかなり違います。特に2020年下半期から披露している「アザトカワイイ」は、佐々木美玲ありきで成立していると言っても過言ではないくらい見事に日向坂の世界観が表現されています。

またこうした雰囲気の中で舞台に立つメンバーも本当にのびのびとパフォーマンスを披露しているように思えます。まさに佐々木美玲だからこそ為せる業です。

一方でアザトカワイイのMVが公開されてからネット上でチラホラ目にしたのが「小坂のセンターは力がない」という意見でした。ちなみに筆者は全くそう思いません。彼女の圧倒的なビジュアルは中心に立つだけでグループに存在感を与えますし、良くも悪くも彼女の場合どのポジションにいても観客の目を奪います。(それくらい頭一つ抜けた美少女です。)

そしてついビジュアルに目を奪われがちですが、忘れてはいけないのが彼女の「パフォーマンス力の高さ」です。確かに曲の世界観を表現することに関しては佐々木美玲の方が上かもしれません。

そこに注目してしまうと見落としがちなのですが、佐々木美玲は表現力に秀でる分、披露する度に表現の濃淡がコロコロ変わる傾向があります。一方で小坂菜緒はここが常に一定で、その中で毎回高い水準のパフォーマンスを披露しています。

これまでは「センターにいるのが当たり前すぎて」見過ごされがちでしたが、「青春の馬」のような俊敏かつキレのあるダンスを求められる楽曲でも、彼女はなんなくセンターの役割をこなしています。

当たり前過ぎて受け手が気づいていないだけで、「毎回一切の不足なく十二分なパフォーマンスを披露する」という能力が彼女にはあります。これは一朝一夕の努力で身につくものではなく、相当な試行錯誤と鍛錬の日々があったことが想像できます。(さらに小坂はアイドル活動と並行してドラマ「DASADA」でも主役をこなし、演技経験が少ないにも関わらず本作を立派に演じ通しています。)

だからこそセンター交代劇で見せた小坂菜緒の涙には、多分に「悔しさ」が含まれていたのだろう、と筆者は考えています。もちろん重圧からの解放という側面もあったかと思いますが、受け手に「センターにいることが当たり前」と思わせるだけのクオリティを常に提供してきたのが小坂菜緒です。それだけセンターであろうと努力を重ねてきた子が、いざセンターを外された時、そこに悔しさが滲まないはずがありません。

ですが先ほど書いた通り、今は結果的に他のメンバーと同様にのびのびとパフォーマンスができており、こころなしか金村美玖や宮田愛萌をはじめとした同期メンバーとの距離も少し近づいたように感じます。

その素質からいずれまたセンターの座に戻る可能性が高い子だと筆者は考えているため、この交代劇を経て成長した彼女が次はどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、素直に楽しみに思っています。

ということで今回は「やっぱりこさかな輝いてるゥ!!」という筆者の感想文をデローンと垂れ流してしまいました。本記事をご覧になった方も、もしお時間があればぜひこの機会に過去のライブ映像やMVなどを振り返ってみてください。センターとして毅然と振る舞う彼女の姿に、改めて目を奪われるはずです。

最近は体調不良のせいかやや気持ちが落ち気味な姿が見えるのでホント心配です。それでは来年以降の彼女の元気な姿を祈って、2020年ラストのnoteを締めたいと思います!最後までお読みいただきありがとうございました。

#1.当たり前にありがとう

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