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【日向坂46】約13万人から選ばれた超新星・上村ひなの。見過ごしてはいけない、彼女が経験した壮絶な日々。

さて今回は「15歳で大喜利に悩んだアイドル・上村ひなの」についてピックアップしていきたいと思います。

ちなみにひなのは紅白リハ後の囲み取材にも顔を出したりと、最近運営に推され始めている気がします。女の子の成長は早いもので、加入当初とは顔つきも印象も大分変わってきましたね。

ということで、今回はそんな日向坂No.1の変化球ピッチャー・上村ひなのの魅力について掘り下げていきたいと思います。

■『長濱ねるの再来』と思いきや…?

3期生・上村ひなのがグループに加わったのは2018年11月。乃木坂46、欅坂46、けやき坂46の新メンバーを合同で募集する『坂道合同オーディション』の合格者です。すでにスターダムに立つ乃木坂46、欅坂46を含めたオーディションということもあり、なんと応募総数は12万9182人。坂道研究生への配属者も含めると計38名の合格者を出し、その倍率は約3400倍というとんでもない数値になっています。

そしてこの合格者の中でただ一人、欅坂46のアンダーグループ『けやき坂46』に配属されたのが上村ひなのです。同グループの1期生・加藤史帆は「そもそもアンダーグループに本当に配属者が来るの?」と考えていたくらいなので、一人でやってきたひなのはそりゃあもう可愛がられることになります。

手始めに先輩たちがやったのが、初顔合わせの際に行った『めっちゃ仲良さそうに見えるグループだけど実際はめっちゃ仲悪いよドッキリ』。そりゃそうなるだろうって感じなのですが、急に喧嘩し始める先輩を見てひなのは呆然。ネタばらしと同時に泣き出してしまいます。そこからの全員での怒涛のフォローの流れはすごくこのグループらしいなぁ、と感じて微笑ましいのですが、とにかくひなのにとっては鮮烈な初顔合わせとなりました。

また初顔合わせの際にひなのを見た1期生・高本彩花は「長濱ねるに似ている」という印象を覚えています。確かに配属当初は一部メディアで『長濱ねるの再来』とも称され、ねる2世のような存在をちょっぴり期待したファンもいたのではないでしょうか。しかし冠番組の『ひらがな推し』に出演して以来、そのイメージは急速に薄れていくことになります。

というのも、自己紹介から喋る内容から、何から何まで普通とはちょっとズレた天然ボケな回答ばかり。そもそもキャッチコピーが「いつでもどこでも変化球、ひなのなの」だったり、お母さんから直接「うちの娘は変」と暴露されたりと、「変」を象徴するエピソードには事欠きませんでした。さらに昨年12月に彼女がアップしたブログではこんなことも書かれています。

実は昔は赤色があまり好きではなくてオーディションの時の自己アピールで
「赤色の食べ物が好きで金魚の形の目をしているので赤色に縁があります。でも赤色はあまり好きではないので好きになれるように頑張ります。」みたいなことを言った記憶があるのですが、

筆者が審査員だったら「なんだこの子~~~」と思うくらい、周りにインパクトを残すタイプの天然さんです。番組やメンバーとのやり取りなどを通して、キャラ作りではない本物の天然ということも明らかになりました。

その愛らしさからグループにもすぐに馴染み、ファンに癒やしを与えてくれる末っ子的存在となった彼女ですが、筆者が注目したのはその裏にあった彼女の陰の努力です。恐らくそれは地獄のような日々だったことが想像できます。

(ちなみにこのCMのみーぱん、今見返すとすでに高い表現力が備わっていたことが分かります。普通は表情一つにこんなに強いメッセージ性を込めることはできません。)

■日向坂46への改名。そこで待ち受ける試練の日々。

彼女がけやき坂46に配属されてからわずが3ヶ月後、けやき坂46が『日向坂46』に改名し単独デビューすることが発表されました。ひなのは2019年3月27日にリリースされた1stシングル『キュン』で初めて楽曲に参加。リリース前の3月5日・6日には『日向坂46 デビューカウントダウンライブ!!』(横浜アリーナ)が開催され、グループのライブに初めて出演することになります。

参加した楽曲はサプライズで登場した『ハッピーオーラ』を含め、『キュン』『ときめき草』『日向坂』『約束の卵』の5曲。同ライブで披露された楽曲は合計23曲のため、一見するとたった5曲だけの参加に見えます。

しかしよく考えてみてください。ひなのはこの時点で加入してからまだ3ヶ月しか経っていません。また1stシングルとライブの情報が彼女の耳に届いたのは改名が発表された2月11日です。そこから逆算すると、この5曲の振りと舞台での動きをマスターするのに費やせた期間はたった3週間しかありません。

しかもひなのはダンスや芸能活動の経験者ではありません。半年前まではただの普通の中学生でした。そんな子が学業と両立しながら横浜アリーナの大舞台で完璧にステージをこなすには、あまりに短すぎる期間です。(しかもライブ前日には彼女が初めて参加した全国握手会もありました。)

またこのライブの後も、1期生・2期生ですら過酷さを覚えるほどの怒涛のスケジュールが待ち受けていました。

同年3月14日に『MTV LIVE PREMIUM』に出演、その1週間後には『LAGUNA MUSIC FES.2019』、その数日後に『ZIP! 春フェス2019』、『TOKYO GIRLS COLLECTION 2019 SPRING/SUMMER』に立て続けに出演。

4月末からはデビューシングルの握手会と同時並行で『Rakuten GirlsAward 2019 SPRING/SUMMER』『AirAsia Presents メ~テレ MUSIC WAVE 2019 ~踊るラグーナビーチ~』に出演。7月17日には2ndシングル『ドレミソラシド』もリリースされており、2ndシングルのレコーディングやMV撮影も並行で行っていたことは想像に難くありません。

また同年6月に1期生・柿崎芽実が卒業を発表。一部の楽曲は柿崎の代わりにひなのが参加することになり、急遽複数の楽曲の振りを覚えなければならなくなっています。

そして彼女の苦難はこれだけに留まりません。覚える楽曲の数が多かっただけでなく、彼女には初めから高い精度のパフォーマンスが求められていました。

■求められるのは『1期生と同じレベル』

実際に見比べれば一目瞭然ですが、日向坂の楽曲は『ダンスの難易度』『フォーメーションの複雑さ』ともにけやき坂初期の楽曲とは天と地の差があります。

比較的簡単な振りから徐々に難易度を上げていった1期生、練習やリハーサルに費やせる時間がまだあった2期生に対して、ひなのは配属されて半年も経たないうちに短期間でハイレベルのパフォーマンスをこなすことが求められました。

しかしそんな日々があったことを多くのファンが意識していないことからも明らかなように、彼女はファンに弱い部分を見せることなく、この苦難を次々と乗り越えていきます。とはいえ若干15歳の少女にこの日々はあまりに過酷で、裏ではたくさんの涙を流してきました。

2020年8月に公開されたドキュメンタリー映画『3年目のデビュー』では、ひなのがレッスン中に号泣するシーンが放映され、親しい関係にあった2期生・小坂菜緒が駆け寄り慰める姿が収められています。また3rdシングル『こんなに好きになっちゃっていいの?』でも振りをなかなか覚えられず、レッスン中に号泣したエピソードもメンバーから語られています。

そして忘れてはいけないのが、ひなのは他の坂道合同オーディションの合格者と違い、たった1人でグループに加入しています。辛い時、悩んだ時に気軽に相談できる同期がいた1期生・2期生と比べても、彼女は一人で踏ん張らなければならない場面も多かったはずです。何度も涙を流しながらも踏ん張り、先輩たちの背中に必死に食らいついていく。天然で物腰柔らかな笑顔の裏で、彼女はそんな泥臭ささえ覚える壮絶な努力を続けていました。

とはいえ彼女もずっと一人だったわけではありません。前述の通り小坂菜緒をはじめとしたメンバーがフォローに入っていましたし、1人で加入したからこそ、常に先輩から何かしらのサポートを受けられる立場でした。こうした姿はメディアではあまり描かれていませんが、2020年10月放送の『日向坂46です。ちょっといいですか?』では、「いつか誰かが卒業するかもしれない」とゲストに言われただけで泣いてしまうなど、先輩やグループへの思い入れが非常に強いことが伺えます。

そしてこうした過酷な日々を過ごしてきたひなのですが、その分彼女には多くのチャンスが舞い込みます。

■異例中の異例。1年目にして与えられた『ソロ曲』。

先輩たちに必死に食らいついてきた彼女には、その分異例中の異例とも言える大きなチャンスが与えられました。

2019年7月リリースの2ndシングル『ドレミソラシド』では、1期生・加藤史帆、2期生・渡邉美穂とともにカップリング曲『やさしさが邪魔をする』を担当。この楽曲は渡邉美穂のハイトーンボイスと上村ひなののロートーンボイスのコントラストがメンバーの中で話題になり、度々SHOWROOMでネタにされています。ネタにされたものの、結果的には楽曲の知名度を上げることになり、ここで初めてひなのの歌声を意識したファンも多かったのではないでしょうか。(いわゆるキリマンジャロですね。)

さらに同年10月リリースの3rdシングル『こんなに好きになっちゃっていいの』では、彼女に初のソロ曲が与えられました。彼女の低音が映えるこの楽曲は多くのファンにインパクトを与え、以降のライブでも度々ソロで披露する機会が与えられています。

また加入1年目にソロ曲が与えられるのは異例中の異例です。日向坂46でソロ曲を持っているのは1期生のエース・佐々木美玲、加藤史帆、齊藤京子だけ。彼女はその他の先輩を差し置いてソロ曲を獲得したことになります。しかもMVがついているソロ曲を持っているのはグループではひなのだけです。運営が彼女の力を認め、期待していることが伺えます。

そして4thシングルまでは全ての楽曲で3列目(最後列)中央を任せられていたひなのでしたが、1stアルバムの表題曲『アザトカワイイ』ではついに別のポジションを任せられることになります。

■1stアルバムで見せた大きな成長

4thシングルのリリース後、緊急事態宣言などで事実上の活動休止状態となっていた日向坂46ですが、解除後の2020年9月に満を持して1stアルバム『ひなたざか』をリリース。このアルバムの表題曲『アザトカワイイ』でついに彼女は2列目のポジションを任せられます。

またこのアルバムには坂道研究生を経て同年2月に加入した新3期生・高橋未来虹、森本茉莉、山口陽世の3人も参加。同じ3期生の中でもひなのが一歩先の存在であることが今回のポジションで暗に示されています。

そして同アルバムの中には『この夏をジャムにしよう』という3期生4人の楽曲も収録されています。冠番組の『日向坂で会いましょう』や、配信ライブ『ひなくり2020 ~おばけホテルと22人のサンタクロース~』などでパフォーマンスが披露されており、ひなのが他の3人を主導するフォーメーションになっています。

さらにこの楽曲のパフォーマンスを見て感じたのは彼女のレベルの高さです。新3期生は動きや表情がまだぎこちないのに比べて、ひなののパフォーマンスは本当になめらかで表情にも余裕があります。先輩たちに必死に食らいついてきた彼女の努力が、誰の目にも明らかになった瞬間だと筆者は感じました。

新3期生との加入時期の差はたった1年3ヶ月。この短い期間の間に、彼女は一流のアイドルへと成長を遂げていました。いつか彼女が次代の日向坂を背負う存在になる日がやってくるかもしれませんね。

ということで、今回は日向坂きっての天然キャラ・上村ひなのについて掘り下げてみました。

加入当初から過酷な日々を過ごしてきた彼女ですが、前述の通り彼女はあまりファンに弱い部分を見せることはありませんでした。一見すると穏やかでか弱い少女に見えますが、その内側にはしっかりと芯が通っており、アイドルとしてのプライドや心の強さが備わっているのかもしれません。

また最近は『ひなあい』でオードリー若林の指示を忠実にこなしてドッキリを仕掛けるなど、天然キャラに留まらないスマートな一面も見せています。同じ変な子でも、櫻坂46の増本綺良や大沼晶保とはちょっと違いますね。(ちょっとっていうか大分か。)

それでは余談が過ぎたので今回はこの辺で。ひなのの今後のさらなる活躍に期待していきましょう!

#4.強く折れない変化球

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