歯医者の娘。歯医者へ行く。
しばらく放っておいた歯の痛みがついに激痛に変わった。
「イタタタ・・・。」
もう限界。
ついに父に打ち明けた。
私の虫歯の進行具合に驚き、
とても申し訳なさそうにされた。
そう、
幼い頃から歯の治療をしてもらう時間なんてなかった。
そして、
勤務中にも関わらず私の治療が始まった。
しかし、
ここでは色々と制限がある。
予約時間に来る患者さんに、
スタッフの顔色も伺いながらの治療ともなれば、
仕事にも支障をきたしてしまう。
このままでは、
また私の虫歯が進行する。
父に頼み、
信頼できる歯科の先生を紹介してもらうことにした。
毎日仕事では歯科に行くが、
患者側として行くのは、
なかなか緊張するものだ。
紹介状とともに先生に事情を話し、
治療が始まった。
「板の上の鯉。」
まさに、
このことを言うのかとぼんやり思っていると、
チクッ。
麻酔が刺され、冷や汗がジワっとした。
鈍い感覚の口の中で機械の動く音だけがハッキリと聞こえた。
意識がどんどん遠のきそうになりかけた時、
「今日はここまでにしましょうか」
と椅子を起こされた。
どうやら、
無事に治療が終わった。
先生にお礼を言い、
そそくさと待合室へ戻った。
患者さんたちはいつもこんな気持ちなのかな・・・。
診察が終わり、
また仕事へ戻るため急いで歯科に向かった。
待合でよく喋る患者さんたちは、
今から行う治療の不安を少しでも解消するめに、
そして治療終え安堵の気持ちと共に
口数が増えると言う気持ちが今ならわかる。
そして私はいつもと変わらず、
患者さんたちに、
「今日の晩ごはん何するんですか?」
と聞いていた。
何気ない会話が一番リラックスする。
そして、私の治療は続く・・・。
(ドキドキ。)
それでは、またの投稿で♪
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