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晴れた日にはお散歩を

冬の晴れ間は薄水色の淡い空が清々しいです。
今回は、雲ひとつなく陽射しが眩しかった日の出来事を綴ります。

古民家は大きな窓が多く、お部屋にいても外からの冷気を感じていましたが、移住体験で来てくれた学生さんが二重窓をDIYで作ってくれました。おかげでとても暖かくなって快適に過ごせています。Hinataboccoに関わってくれている皆さんに日々感謝の毎日です。

その日は散歩がてらお出かけをしました。

歩いていると、売ります。買います。探します。と書かれた看板を掲げている古本屋さんに出逢いました。建物も看板も年季が入っているからこそ、他とは違う輝きがあり惹かれてお店に自然と足が向かいます。

外にも本棚があり、上から下の段まで1冊50円、1冊100円でびっしりと並べられていました。
1段ずつじっくりと背表紙を見ていると、お店の中からおじいさんの声が聞こえてきたので入口からちょっと中を覗き込みます。お客様らしきおじいさんがお一人いて、にっこりと目を合わせてくれました。

お客さんが来たよとお店の方に話しかけてくれます。本棚に隠れてお店の方の姿が見えませんでしたが、こんにちはー!と挨拶をしてみます。

ちょっと待ってねという元気な声とともにお店の店主さんが出てきてくれました。

店主さんもにっこりと笑う優しい面持ちのおじいさんです。
おふたりは昔からのご友人なんだそうです。

棚の本はジャンルごとで整理されていないのですが、どこにどの本があるのか覚えているのでしょうか。古民家を再生して畑で野菜を作りながら地方創生をしていますと自己紹介をしたら、
迷うことなくおすすめの1冊を探してくれました。

「地域学のすすめ」

一見すると都市部と地方は対義する場所のように思いますが、それぞれの地域の歴史を紐解くと実は関わりがあることが書かれています。「地方」という呼び方に囚われず、全ての場所はひとつの「地域」であることに気が付かせられました。

古民家がある羽場という地域と馴染みのある伊那や天竜川などの記載もありました。

この本は1冊50円です。

ぴったり50円がなかったので100円玉を渡すと、
とっても光沢のあるピカピカの50円玉をお釣りにくれました。

レシートはないけどいいね?今日は天気がとびきりいいからね。お天道さまに負けないくらい眩しい50円玉をあげるよとおじいさんが微笑みます。

キラキラした陽射しを浴びて年季が入った輝きに導かれ出逢ったのは、
ピカピカの50円玉に負けないくらい明るいおじいさんたち2人の笑顔でした。

人生の先輩たちからはパワーをいただけることがあります。もちろんお天道さまにも。

寒い日が続いていますのでもし出不精になっていたら、晴れた日にはお散歩をしてみるのもいいかもしれませんね。

@furuka.mera

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