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躓きと気付きで暮らしを整える

躓(つまづ)くことにより、新しく得るものがあったり想定よりもよいものに仕上げられたりすることがあります。

昨年12月にインターンとして来てくれた学生さんがそう言っていました。

もう春なので、きっと今は新生活が始まっていることでしょう。

春が来た古民家での暮らしは、寒い頃と比べて日差しがあたたかいだけで朝から気分がいいです。
ストーブをつけなくていいことが嬉しくて、山の雪も溶けてきてぽかぽかな日が続いています。

インターンとして来てくれた学生さんは首都圏の大学に通う方で寒い中2週間滞在してくれました。

さまざまな巡り合わせがあって来ることになったと話してくれて繋がりを大切にしている方です。

今回は彼が初めての古民家滞在を通して感じた想いを綴ってくれます。

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僕は古民家と住人の皆さんのために何ができるだろうかと考えながら
辰野町での暮らしを始めました。

住人の皆さんとお話ししていると、もっとこうだったらいいな〜、ここを直してほしい!と心の内が少しずつ見えてきました。

築100年以上ですから建物が少しゆがんでしまっています。木は生き物なので形が変わりスムーズに閉まらない窓があったり、隙間が空いていたり、床が傾いているところもありました。

僕の趣味であるDIYの経験が活きる時です。

隙間はキャストさんも交えてパテで埋めていきました。小さな隙間でもしっかりと塞ぐと暖かくなります。
地道な作業ですが変化はとても大きいです。

生活していくうちに、窓を二重にしたらもっとあたたかくなるかもと気が付き、内窓を2つ自作することにしました。
今回の活動の中では1番の大物です。

窓を作った経験はなかったので、古民家にある立派な建具を参考にして作ります。
インターネットで調べれば、作り方はたくさん見つけられますが自分の頭の中だけで考えて作り上げた時の達成感は一味違います。

考えながら、悩みながら作り上げる時間って
素敵な時間だと思いませんか。

1つ目は、少し失敗しながらもなんとか完成させました。
2つ目になれば、失敗した経験があるので良い仕上がりになります。

ものづくり以外でも、自分の頭の中だけで考えて行動すれば失敗することもありますよね。

失敗しないことも時には大事かもしれませんが、これは小さいながらに
僕が大切にしていることです。

住人さんが増えた時のために収納がもっとあるといいなという声もあったので、キッチンの棚も増やすことにしました。

使ったのは、古民家にもともとあった表面がガサガサの木材でした。

ぱっと見た感じはあまり綺麗な木材ではありませんが、手を加えて丁寧にやすってあげれば驚くほど綺麗になります。
こんな木材どこにあったの?と聞かれるほど大きな変化です。

古いものや一見綺麗には見えないものが古民家にはありますが少し手を加えてあげれば、そのものの魅力に気が付きます。
魅力は奥に潜んでいたり、眠っていたり、隠れているのです。

この発見は古民家で暮らしていて感じられる一つの幸せだと思います。

滞在期間は本当にあっという間に過ぎていきました。暮らしを少しでも快適にするために活動した2週間でした。

少しでも手を加えるだけで、暮らしやすさや空間への想いは
強くなっていくのではないでしょうか。

HinataboccoキャストさんのVISIONは、ものづくりを愛し、食農(たの)しさを生みだすプロダクターズを増やすことです。
自分で作ったものには愛着が湧くので、皆さんも春が来た辰野町にHinataboccoしに来たり身の回りのものに何か手を加えてみたりしてもいいかもしれませんね。

暮らしを整えるひとつの考え方として、僕の想いが誰かに届いてくれたら嬉しいですし生活はより豊かにしていきたいものです。

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古民家はシェアハウスしたい方が入居してくれて、この春満室になっています。シェアメイトには必ずキッチンの棚を作ってくれた彼のことを話します。

冬の出逢いが春に繋がり、季節を楽しみながら暮らしを整えていく日々を過ごしています。

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