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【読書感想文】ガールフレンド・しまおまほ


小学一年生の頃。
自分の手をじーっとじーっといつまでも眺めて
「なんで、生きているんだろ?」
と毎日考えたことがあった。

「エッセイ・手を見て、考える」
ガールフレンドしまおまほ著・Pヴァイン・ブックス刊(2011)」


5ページ強のエッセイだ。
なぜ自分が生きているのか? という疑問にぶつかり、家族に尋ねる幼少のまほちゃん。祖父に言われた言葉になんとなく納得していたが、大人になって、占い師に全てを委ねているかのような友人を目の当たりにし、再び幼少期に悩んでいたことを思い出す。

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私にもあった、まほちゃんの疑問。
私は確か、まだ保育園の頃だった気がする。
幼い分、疑問はもっとシンプルだった。

「なぜ、意識を持って、ここに立っている?」
「目が見ているらしいこの景色は本物?」

言葉にはできなかったが、自分が存在していることに違和感を覚えた。
「ここに居て、意識がある」という状態が不思議だった。

昼間、トイレから居間に戻る時の一瞬。
私が立ち止まった場所は「火炊く間(ひいたくま)」。

曽祖父が建てた古い日本家屋で、火炊く間は玄関横の、昔は囲炉裏があったという4畳半程度の畳敷きの場所。

巨大なゴミ箱、汚れた洗濯物、若い叔父たちの私物入れロッカーなどが雑然と置かれていた。掃き出し窓からは、お風呂もあるガレージが見え、なんていうことのない風景。

歩いていた時、時間が一瞬止まった気がした。
そして、自分がここにいるという不思議の着地点を探そうと、一生懸命周りを見てみた。
でも着地できそうになくて、ただあきらめることにした。

私は誰にも聞かなかった。
まほちゃんは、オープンマインドだなと思った。


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先日、日本の家族が92歳で大往生なさった。
今は帰省が難しいため、お葬式などに参加できないのがもどかしい。




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