見出し画像

ロングヘアーを切った訳

子供時代の記憶というのはなんだか鮮明だなぁと、この歳になると思います。
わが夫も、暇になったら昔のアニメ&ヒーローのテーマ曲を動画で探したり、80年代ヒット曲みたいなのを拾ってきては喜んでいます。

鮮明な子供の頃の記憶で、ちょっと心に引っかかっているものがあります。
まあ、子供といっても高校生の時の話ですが。

我が家は親の影響で、私が自主的に決めるまでの髪型はずっとショートカットでした。
自主的に髪を伸ばし始めたのは小学生の5・6年生辺りで、前髪を垂らすなら切らなきゃいけないとか髪を縛るゴムの色は黒系とかよく分かっておらず、鼻くらいまで伸びた前髪を少し残して、ラメ入りの白いヘアゴムで縛っていたので、周りのお友達に注意されたりしていました。顔の横に細い三つ編みを一本だけ垂らすように作って、あとは縛る髪型にした時は「上級生の人に睨まれるかもよ」的なことを言われたりもしました。それまで髪を伸ばしたことがなかったので、髪で遊ぶのがちょっと楽しかっただけなのですが。

まあ、そんなことを言っても私の過ごした時代は古く、中学生になる時には暗黙の了解で、皆、女子はおかっぱかショートヘアになります。(いまだになぜだろうと思うけど、数年前まで一緒に遊んでいたのに中学生になった途端、上級生の人にはビシッとした挨拶が必須で、絶対服従的な雰囲気になるのも暗黙の了解で)

いったん伸びた私の髪の毛は、その暗黙の了解で短くなり、学年が上がるとぼちぼち伸ばしていきました。
そして高校生になってしばらく経つと、一度も切らなかった髪の毛はさすがに腰の上くらいの長さになります。

ところで、髪を下ろして、首の辺りから手で髪を払う動作。
お分かりいただけますでしょうか?
シャンプーのCMでやりそうな、結構一般的なエアリーな動作かと思います。
今だったらその後に「35億」とか言いそうな動作です。

自分の部屋で鏡を見ながら髪の手入れをして、その後にファサッと髪を払う動作をした時、私は思いました。

『早く髪を切らなきゃ!』

今までだってそんな動作をしていただろうに、なぜかその時は、平然とその仕草をする自分が許せなかったのです。
許せなかったというよりも、危機感という言葉の方が、しっくりくるかもしれません。

『自分が嫌な奴になっていく。その前にこの流れを断ち切ろう!』

多分、こんな感じです。

ティーン向けファッション雑誌を片手に(!)、ショートカットのモデルさんを指差して、
「こんな感じに切ってください」
と、近所のおばちゃんがやっている美容院へ駆け込みました。

ショートカットのモデルさんは、市川実和子さんでした。
(大人になってからも、彼女可愛いよね?)
「女子バレーの選手みたいだね」と周りから言われつつも、嫌な奴になる前にことなきを得たと、ほっと胸を撫で下ろしました。
あの、やばいと思った気持ち、なぜか強く心に残っています。

その後も、髪は切ったり伸ばしたり。大学生にもなればちょっとはお化粧も楽しみましたが、たかが知れている感じ。
なんか垢抜けないね、という感じが自分にとって落ち着くんですね。なぜか。
ハイヒールもうまく歩けないし、スカートも苦手。
一瞬だけOLさんになったことがありますが、無理だなと思ってしまった。

でも、おしゃれな人は好きです。
キラキラしている人を見るのはいいですね。
おしゃれを楽しむことが好きなんだなと、羨ましく思います。
翻って、自分はそうなれないということに、若干の申し訳なさもあります。

ただし、ちゃんとおしゃれをしようと思って頑張った時があって、それは妹の結婚式でした。
人前式スタイルの立会人を頼まれたので、ドレスとアクセサリー、小物とその日のためだけに一揃え購入しました。
夫婦でビシッと決めてみるとそれはそれで楽しくて。

きちんとする勇気も時には必要ですね。

この記事が参加している募集

ご覧いただきましてありがとうございます♪