ひなた

ほらふき日記という嘘の日記を書いたり、書かなかったり。

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最近の記事

【毎日は書かないけど日記】電車の網棚から荷物が落ちた

電車の網棚から荷物が落ちた。 隣に立っていた女の荷物が、 網棚から落ちた。 落ちた荷物は、 座席に座っていた男に降りかかる。 女は少しだけ申し訳なさそうに その荷物を抱え込んだ。 そしてまた荷物を網棚に乗せる。 ギュウギュウとと押し込むように。 どうして落っこちたんだろう、と 不思議がりながら 位置は大して変わらないけれど ギュウギュウと押し込む。 女は今、 男がさっきまで座っていた座席に 腰掛けている。 網棚の荷物がまた 同じ場所へと落っこちないかと 僕はヒヤヒヤ

    • 【毎日は書かないけど日記】車道側を歩きたいと思える女性に出会った

      車道側を歩きたいと思える女性に出会った。 もっとありていにいうならば 僕は恋をした。 これは僕にとって進歩である。 いや、もはやこれは進化である。 僕は進化をした。 ここで一度 進化前の僕の話をする。 進化前の僕、 つまりは数ヶ月前の僕は 卒業論文を書いていた。 研究テーマは「優しさ」 優しさなんてものはないと否定する まったく優しくない研究。 優しさの中には、 自己満足や義務感、優越感が含まれていて、 純度100パーセントの優しさなど存在しない ということを

      • 眠り方が分からなくなりました

        こんばんは。お体にお気をつけてくださいね。 という薄い文字を消して、この記事を書き始めたのが深夜3時。 僕が「お体」のことを心配しないでnoteを開いてしまったのは、眠り方を忘れてしまったから。 ベッドに入っても、ずっと考え事をしてしまう。 やっとこさ、考え事が終わっても、考え事Aが考え事Bを呼んできて、またズルズルと脳内会議が始まってしまう。 きっとこれは、野球選手が突然イップスになって、球の投げ方が分からなくなるみたいな、そんな感じ。 「あれ、今までどうやって眠って

        • え、誰か、私を褒めてぇぇぇ。

          自分のいいところ、なんてのは誰しも分からないもので。そんなものが分かったら、この世から新興宗教はなくなるのでしょう。 それでも、ふと自分の取り柄って何なんだろうと考えてしまうのです。 私の友人は、私の何を良いと思って一緒にいてくれているのだろう、と。私を飲みに誘う先輩は、私の何を評価して誘ってくれているのだろう、と。 そんな事を考えていると、何だか自分が嫌になってきて。友人や先輩を騙している気分になってきて。そんなことを考えている自分もさらに嫌になってきて。 もう、こ

        【毎日は書かないけど日記】電車の網棚から荷物が落ちた

          【エッセイ】 AirPodsが片方なくなって「a AirPod」になってしまった

          悲劇が起きたのは今日の19時15分でした。 美容院で髪を切ってもらい、音楽を聴きながら帰ろうと思っていたときです。 左ポケットに手を突っ込み、私はすぐに気が付きました。イヤホンが1つしかない。取り出してみると、やはり左ポケットにはAirPodsが片方しか入っていませんでした。つまりは「a AirPod」。 あぁ、なぜ私にこんな悲劇が。なんの報いを私は受けているのですか……。私は一気に悲しみの渦に引き込まれました。 しかし落ち込んでいる暇はありません。私は、スマホでライ

          【エッセイ】 AirPodsが片方なくなって「a AirPod」になってしまった

          【ほらふき日記】元カノが人生に後悔しているらしいが、僕と別れたことか?

          今日、起きたこと。 まず、それを端的に申しますと、元カノに1年ぶりに会いました。それも別れてからちょうど1年。 そんな運命的なお話をします。 朝、起きると僕はまずSNSを見ます。そして一通り、友人やら好きなアイドルの投稿に目を通してから、別アカウントに切り替えます。 元カノの投稿を見るためです。なぜこんなことをするのかというと、別れるときに元カノのことはブロックしてしまったから。 そしてフォロー0フォロワー0の、「マヨネーズ探偵」というアカウントで、元カノのSNSを検

          【ほらふき日記】元カノが人生に後悔しているらしいが、僕と別れたことか?

          【ほらふき日記】嘘の日記を書いています。「お隣さんは忍者」

          今日、僕の家の左隣に住む皆川さん(仮名)と初めてお話をしました。皆川さんのお宅は、父、母、子の三人家族で、お子さんは小学生の男の子です。 僕は、彼が友達と遊んでいるところを見たことがありません。「学校は楽しい?」「得意な教科はある?」などと何度か声をかけたことはありますが、毎度無視されてしまいます。 そして彼は、黒いタートルネックの襟を口元まで伸ばして、逃げるように去って行ってしまうのです。 そして今日、最寄りの駅で皆川さんの奥さんとバッタリ遭遇しました。 少し遠目に

          【ほらふき日記】嘘の日記を書いています。「お隣さんは忍者」

          【ほらふき日記】嘘の日記を書いています。「梨の馬鹿めが18年」

          僕の人生において、最も驚きを感じた瞬間は、スーパーで買った釜揚げしらすの中に小さなタコが入っていたときです。そんなことが……と思われるかもしれませんが、これは僕が話す最初で最後のホントのコトです。  テレビで活躍する芸能人の方々は、ホントに!?と思わず疑いたくなってしまうようなエピソードトークを山ほど持ってらっしゃいます。 それに、僕の友人もそうです。ヤンキーに財布をパクられたとか、彼女にGPSで監視されているとか、クレカの請求が溜まって取り立て人が家に来るとか……。

          【ほらふき日記】嘘の日記を書いています。「梨の馬鹿めが18年」